2018 Fiscal Year Research-status Report
キャピラリーセルを用いた超臨界CO2顕微分光測定によるモディファイヤー効果の解明
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17K05893
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大橋 朗 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (50344833)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 顕微共鳴ラマン分光法 / 紫外可視吸光光度法 / キャピラリーセル / モディファイヤー / ピリジルアゾフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度作成した角型フューズドシリカキャピラリーをセルとして用いるSC-CO2相分光システムに対し、SC-CO2相の紫外可視吸収スペクトルを同時測定できるように装置の改良を行った。具体的には装置の角型キャピラリーセルと背圧レギュレーターの間にマイクロHPLC用可視・紫外分光器を接続し、吸収スペクトルを測定できるようにした。装置の性能評価のためアゾ色素の一つである5-Br-PADAPを濃度を変えてSC-CO2に溶解し、それぞれの共鳴ラマンスペクトルと紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、ラマン散乱強度と吸光度に相関がある結果が得られた。また、モディファイヤーとしてエタノールを加えて測定を行い、5-Br-PADAPとエタノールの相互作用がラマンスペクトルに与える影響を検討した。改良した装置により、吸光度からSC-CO2相に溶解している分析物の定量、ラマンスペクトルから分析物の構造情報を同時に得ることが可能になった。本装置は、SC-CO2相中での溶質とモディファイヤー間の相互作用を検討するうえで有用な分船籍装置であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SC-CO2相中の分析物の定量と共鳴ラマンスペクトルの測定を同時に行えるように装置の改良を行った。紫外可視吸収スペクトル測定はマイクロHPLC用可視・紫外分光器を接続することで行ったが、高圧力条件のためキャピラリーセルとの接続に苦戦し、予想以上に時間を取られてしまった。本年度に限ればやや進捗は遅れ気味であるが、昨年度とあわせればおおむね順調に進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した装置の角型キャピラリーセルと背圧レギュレーターの間にマイクロHPLC用可視・紫外分光器を接続した装置を用い、モディファイヤーの種類を変えた測定を行い、モディファイヤーの水素結合供与性(pKa)の違いが、ラマンスペクトルの変化に与える影響を明らかにする。また、無極性溶媒のヘキサン中での測定も行い、超臨界二酸化炭素系との相違を明らかにする。
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Causes of Carryover |
高圧シリンジポンプおよび自動背圧弁の修理および調整費用として準備していた予算の執行が研究の進捗状況により翌年にずれ込むこととなったため次年度使用が生じた。当該経費は、上述しているように装置の修理・調整費の支出に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)