2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of mass transfer in the microparticle/solution system controlled in the micrometer-sized space
| Project/Area Number |
17K05894
|
|---|
| Research Institution | University of Tsukuba |
|---|
Principal Investigator |
中谷 清治 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00250415)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | 細孔内拡散 / 物質移動 / シリカゲル / 顕微分析 / 多孔性粒子 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
マイクロメートル空間における溶液中の拡散は速く，効率が良いことを利用し，分光学及び電気化学的に多孔性粒子系の化学・物理プロセスを制御・計測する手法を確立し，クロマトグラフィーや固相抽出等に関連した多孔性微粒子/溶液系のポア及び表面拡散過程，粒子表面での細孔への取り込み・放出過程，粒子外拡散過程等を定量的に解明することを目的とした。
開発した手法を用いて，ODSシリカゲル（粒子直径～3マイクロメートル, 細孔直径 12 nm）の単一粒子をレーザー光（1064 nm）を用いて三次元的に捕捉し，クマリン誘導体である色素の分配過程は，短時間だけ粒子全体にレーザー光（408 nm）を照射することで色素退色させ，周囲の溶液から微粒子に色素が取り込まれる速度を，放出過程は薄層セルの電極上で溶液中の色素を短時間でバルク電解し，単一粒子からの色素放出速度を，蛍光強度の時間変化として計測した。
粒子外拡散が律速で分配が起こる場合，溶液中の溶質の定常的な球拡散により粒子サイズが小さくなるほど効率よく起こり，粒子内物質移動が律速となることを定量的に解析した。速度定数と，溶液と粒子間の分配係数K，粒子サイズ，溶液中の拡散係数の関係を明らかにした。粒子内拡散が律速となる場合，細孔内拡散をポア-表面拡散モデルで解析すると，細孔壁に沿った拡散である表面拡散が律速となり，細孔内溶液中の拡散であるポア拡散は律速となりにくいことを明らかにした。ポア-表面拡散モデルで，ポア拡散の寄与が大きい場合においても，実測の粒子内拡散係数はポア拡散の寄与が小さく，細孔壁での吸脱着過程を考慮する必要があることを明らかにした。
本手法を用いて，多孔性微粒子/溶液系の細孔内拡散，吸脱着，粒子外拡散過程等を定量的に考察することが可能となった。
|
Research Products
(3 results)
