2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of nobel indicator for ultra sensitive telomerase assay by using electrochemical method
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17K05904
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 しのぶ 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80510677)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | テロメアDNA / がん診断 / 電気化学 / フェロセン化ナフタレンジイミド |
Outline of Annual Research Achievements |
テロメラーゼはおよそ80%のがんで発現が認められていることから、有用なマーカーとして期待されている。申請者はこれまでにテロメラーゼを迅速に測定可能な電気化学システム, ECTA法を開発した。これまでに、口腔がん、口腔前がん病変に関係する臨床検体で、ECTA法が有用であることを確認しているが、肺がん、尿路上皮がんに適用したところ、感度が不十分であることがわかった。そこで、本提案では、さらなる感度上昇を求めて、ECTA法に適用可能な新規な指示薬として、4本鎖に特異的に結合するペリレンジイミドを骨格とした新たな指示薬の合成と、その性能評価および検出システムの最適化について検証する。 研究実施計画として以下のとおりである。ECTA法のさらなる高感度検出を達成するために新規指示薬の開発を行う。H29年度にフェロセン化ペリレンジイミド(FPDI)の合成を行ったが、試薬自身の安定性に乏しかった。そこで、環状アントラキノンにフェロセンを修飾したcAQ-Fcを新規に合成した。cAQ-Fcと1本鎖、4本鎖DNAとの相互作用解析を行ったところ、ITC測定では、高い結合定数を示すことが明らかとなり、円偏光二色性(CD)スペクトル測定によって、ヒトテロメア4本鎖DNAに対して、ハイブリッド構造を維持したまま、結合していることが明らかになった。ITC測定および、CDスペクトル測定によるモル比法によって、テロメア4本鎖DNAに対してcAQ-Fcは1:1で結合していることが明らかになった。また、HeLa細胞抽出液を用いて、ECTAを検討したところ、500 HeLa cellsを作用させた時、20%の電流増加が見られた。今後は、さらなるECTAの条件検討を行い、より高い電流増加が得られる最適条件を探索する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定のFPDIは、化合物自身の安定性が悪かったが、新規にcAQ-Fcを設計・合成することができ、これによる相互作用解析まで達成できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
新規化合物cAQ-Fcによって、ECTA条件の最適化を行い、臨床サンプルへの適用を試みる。
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Research Products
(11 results)