2021 Fiscal Year Research-status Report
大気中にガス成分またはナノ粒子として存在する揮発性元素のリアルタイムモニタリング
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17K05909
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
古田 直紀 中央大学, 理工学部, 名誉教授 (90101055)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PM0.1大気粉塵 / リアルタイムモニタリング / ガス交換器 (GED) / ICPMS / 揮発性元素 / ガス粒子化装置 (GPD) / 発生源の解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノサンプラーを用いてPM0.1(0.1μm以下の大気粉塵)を石英繊維フィルター上にサンプリングし、化学成分を分析した。その結果、1/3は炭素(有機炭素と無機炭素)で、1/3は主成分元素(O, Si, Al, Feなど)と微量元素(Pb, Cd, As, Se, Sbなど)、残りの1/3は硫酸アンモニウム塩(NH4, SO4)であることが明らかとなった。 ナノサンプラーを用いてPM0.1(0.1μm以下の大気粉塵)をコロジオン膜上にサンプリングし、透過型電子顕微鏡 (STEM)で、ナノ粒子を観測した。その結果、2種類のナノ粒子が多数観測された。一つは、球形のナノ粒子が数珠状に連なったディーゼル排ガス粒子であり、もう一つは、球形をした硫酸アンモニウムの液滴であった。 大気中での硫酸アンモニウムの生成メカニズムは、二酸化硫黄(SO2)ガスとアンモニア(NH3)ガスとが反応し、二次発生源である硫酸アンモニウム塩が生成し、その硫酸アンモニウ塩は吸湿性なので、大気中の水分を吸収し、硫酸アンモニウムの液滴となる。 PM0.1の発生源について、2021年12月アメリカのホノルル(Honolulu)で開催された環太平洋国際会議 (Pacifichem 2021)で"Elucidation of sources of airborne particulate matter PM0.1 in the atmosphere"ど題する口答発表をする予定でいたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、発表を辞退した。ハワイへの航空券はキャンセルしたが、ハワイの滞在費は支払わらずに済んだので、海外渡航費が未使用となり次年度使用額が生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PM0.1大気粉塵の発生源を明らかにすることができた。PM0.1の発生源として2種類が存在することが明らかとなった。一つは、球形のナノ粒子が数珠状に連なったディーゼル排ガス粒子であり、もう一つは、球形をした硫酸アンモニウムの液滴であった。
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Strategy for Future Research Activity |
PM0.1大気粉塵の発生源について国際学術雑誌に発表する。
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Causes of Carryover |
PM0.1の発生源について、2021年12月アメリカのホノルル(Honolulu)で開催された環太平洋国際会議 (Pacifichem 2021)で"Elucidation of sources of airborne particulate matter PM0.1 in the atmosphere"ど題する口答発表をする予定でいたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、発表を辞退した。ハワイへの航空券はキャンセルしたが、ハワイの滞在費は支払わらずに済んだので、海外渡航費が未使用となり次年度使用額が生じた。PM0.1大気粉塵の発生源について、2022年度に、国際学術雑誌に発表する予定でいる。
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Research Products
(2 results)