2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method for detection of single methylated cytosine
Project/Area Number |
17K05911
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 輝 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (00367195)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / メチル化 / メチルシトシン / がん診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)コントロールDNAを必要としない検出法の検討、(2)ヒトゲノムDNAのメチル化検出を行った。 (1)コントロールDNAを必要としない検出法の検討:標的DNA配列中のCpG以外の塩基が分岐点上に位置する対照プローブを用いることで、対照DNAを必要としない検出法を検討した。TWJ構造の分岐点上に標的DNA中のCpC(酸化されにくい)、またはCpT(Tはメチルシトシン同様酸化されやすい)が位置するように設計された2種類の対照プローブと従来のCpGメチル化検出用プローブで得られたCt、⊿Ctを比較した。その結果、CpC対照プローブでは、⊿Ctは非常に小さく(CpGがメチル化されていてもCtにほとんど差がない)、CtはCpGがメチル化されていないときとほぼ同じ値となり、CpT対照プローブでは、⊿Ctは非常に小さく、CtはCpGがメチル化されているときとほぼ同じ値となった。すなわち、これらの対照プローブを用いることで、対照DNAが不要となる可能性が示された。 (2)ヒトゲノムDNAのメチル化検出:CpGメチル化検出用プローブを用いて、ヒトゲノムDNAのp16遺伝子のCpGメチル化検出を行った。その結果、メチル化ヒトゲノムは非メチル化ヒトゲノムより大きなCtとなり、⊿Ctは4~5であった。すなわち、ヒトゲノム中の1塩基のメチルシトシン検出に成功した。 研究期間全体を通じて、定量的PCRによる標的DNA中の特定のシトシン/メチルシトシンの識別法の確立、メチルシトシン酸化条件の最適化、プローブDNAのデザイン検討など当初の計画通りに研究を実施し、最終的な目標であるヒトゲノムDNAのメチル化検出にも成功した。今後は、より明確なメチル化検出(より大きな⊿Ct)を目指して、反応条件、プローブDNAのデザイン検討等を進めていく。
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