2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of analytical method for sulphur in hydrogen gas using atmospheric pressure He microhollow cathode discharge plasma
Project/Area Number |
17K05915
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
千葉 光一 関西学院大学, 理工学部, 教授 (20281066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 貴弘 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 研究員 (90756694)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 水素エネルギー / 水素燃料ガス / プラズマ分光分析 / イオウ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の地球温暖化などの環境問題の解決策として,使用時にCO2を排出せず、また多様な製造方法がある水素エネルギーが注目されている。しかし、水素エネルギーは製造方法により純度や成分が大きく異なり、広く一般的に普及させるまでにはさまざまな課題があることが知られている。特に、燃料電池自動車用への水素ガスには、品質規格は厳しく制定されており,特に触媒毒であるイオウは総濃度が0.004 ppm以下と低く設定されている。従来行われてきたガスクロマトグラフィーによる分析では,イオウが化学形態毎に分離されるため,総イオウ濃度の測定は困難である。そこで本研究では,簡便で高感度なイオウ不純物分析のために,マイクロホローカソード放電プラズマを用いた発光分光分析装置の開発を行なった。本研究で開発した分析装置は,イオウを濃縮するための試料濃縮部,イオウを励起するためのプラズマ発光部,イオウの発光強度を測定する分光検出部から構成される。本実験装置に0.02から1.0 μLのイオウを導入して分析を行なったところ,このイオウ濃度範囲で高い定量性が得られることがわかった。また,イオウについて3.6 nLの検出下限値を達成した。この検出下限値から算出すると0.004 ppmのイオウを含む水素ガスの品質評価に必要な水素ガス量は0.9 Lである。この結果は,本研究で開発した分析装置を用いることで,少量の水素ガスから品質評価を行なうことが可能であることを示している。
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