2019 Fiscal Year Annual Research Report
Recognition and Sensing of Fluorous Organic Compounds Using Nanocomposite of Molecularly Imprinted Polymer as Artificial Antibody
Project/Area Number |
17K05916
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
松井 淳 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (10264954)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分子認識 / モレキュラーインプリンティング / 金属ポルフィリン / イタコン酸 / 有機フッ素化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、有機フッ素化合物(PFCs)による環境汚染および生物濃縮が懸念されている。しかし、従来の材料では特定のフッ素化合物を特異的に分離したり、簡便に検出したりすることは困難である。そこで本研究では、モレキュラーインプリンティング法により、PFCsに対する人工抗体ポリマーを水系溶媒中でゲルとなるよう作製し、PFCsに対する刺激応答性(膨潤・収縮)を評価した。その結果、フルオラス相互作用を架橋点にもつゲルの作製およびPFOA等に対する応答は確認できたが、感度や選択性などの点で不十分なものであった。この問題に対処するため2019年度は化合物選択性の付与と結合能の向上を目指し、人工抗体ポリマーを構成するモノマーについて再検討を行った。これまでに利用している静電相互作用に変えて、水中での強固な結合・認識が期待できる金属ポルフィリンとの配位結合を利用することとし、種々の中心金属をもつポルフィリン型モノマーについて、水系溶媒中での結合性について検討を行った。同モノマーの結合性に関する基礎的知見を得るため、カフェインやポリフェノール類をモデルテンプレートとして分子インプイントポリマーを合成したところ、例えばカフェインに対しては銅ポルフィリンが高い結合能を示すことを見出した。また、パーフルオロ基等での修飾を指向した二官能性モノマーとしてイタコン酸を用いた分子インプリンティング系について検討を行った。イタコン酸の反応性について検討するため、重合の時間や場所が、得られるポリマーの認識能へ与える影響を検討したところ、重合容器の縦方向に位置が異なる分子インプリントポリマーの比較では、底部分のポリマーが最も高い親和性を示すことがわかった。この結果は、センサーゲルを合成する際にも重合位置別にポリマーを取り出すことによって、結合能や膨潤性が異なるゲルを一度に入手しうることを示唆している。
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Research Products
(5 results)