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2018 Fiscal Year Research-status Report

Development of Proteinaceous Nanocarrier with the set time delivery address

Research Project

Project/Area Number 17K05939
Research InstitutionKanagawa Institute of Technology

Principal Investigator

小池 あゆみ  神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (20454176)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsシャペロニン / GroEL / DDS / ドラッグデリバリー / 自己組織化 / ナノチューブ
Outline of Annual Research Achievements

GroEL/GroES複合体はカプセル構造をしたタンパク質で、変性タンパク質を直径5 nmの複合体内腔に落とし込みフォールディングを介助する。ATPが加水分解されADPになると、GroESが解離することに伴い内包物が放出される。このため、ATP加水分解活性低下型変異体ライブラリーは、GroEL/GroES複合体維持時間を様々な時間に延長する。GroELD52,398A変異体と、核移行シグナル配列付与型GroES変異体を蛍光色素で標識し、GFP を内包させてCHL細胞に添加したところ、GroEL/GroES /GFP三者複合体は24時間以内で細胞質に、48時間以内で核に到達した。そこで、細胞膜透過効率を向上する目的で、Argに富んだ膜透過ペプチド(PTD)を追加し、複合体安定性と細胞膜透過性を比較した。精製したPTD 融合GroES変異体は、野生型GroESとヘテロ7量体を形成し、GroELD52,398Aと安定な複合体を形成できた。蛍光標識したGroEL/ PTD 融合GroES複合体をCHL細胞に添加したところ、N末端PTD融合GroESでは、細胞添加後5時間以内に細胞質に、7時間で核に到達したことが顕微鏡観察で確認でき、細胞膜透過の促進が認められた。
また、高濃度ATP存在下でGroELが自己組織化することを新たに見いだした。透過型電子顕微鏡観察の結果、GroEL分子が直列に連結して繊維構造を形成しており、ATP加水分解が遅い変異体ほど繊維形成が顕著であった。このGroELチューブは、GroESの添加やATP濃度の低下により可逆的に脱重合した。金属ナノ粒子を内包したGroELチューブも形成できたことから、局所的に内包物濃度を高くすることが可能であり、ナノキャリアとしての応用が期待できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

シャペロニンカプセルにタンパク質、金属粒子、化合物を内包させ、細胞外から投与することにより、7時間でターゲット部位に到達させられるよう、シャペロニンを改変することができた。すでに、フラーレン誘導体をシャペロニンカプセルに内包させ、細胞外から投与することにより、シャペロニンが無いときに比べて、細胞への薬理作用の向上も確認できた。2種の金属ナノ粒子を順番に1分子のシャペロニンカプセルに内包して、四者複合体を形成することもできている。
核酸を内包させて分解から保護しながら輸送することに着手しているが、核酸医薬を準備する予定だった共同研究先担当者の異動により計画が遅れた。

Strategy for Future Research Activity

空洞内壁に正電荷アミノ酸を提示させたGroEL変異体、または官能基表面標識ポリスチレンナノビーズを使用して、核酸をシャペロニンへ係留/内包させ、細胞内へ送達させることを実施する。蛍光標識した核酸の蛍光顕微鏡による細胞内動態観察と、薬理活性評価を行う予定である。
核酸医薬は、作用する遺伝子に対して高い特異性を持つことから、がん等の根本的な治療薬として期待されている。しかし、そのままでは細胞内に取り込まれず、取り込んだとしても生体内で容易に分解されてしまうため、ターゲット細胞に届けることが困難である。シャペロニンカプセルが体内動態を制御するプラットフォーム技術となり、課題を解決できると期待している。

Causes of Carryover

金属ナノ粒子購入費用を計画していたが、文献を元に質の良い粒子を合成することができ、費用が抑えられている。今後、核酸合成の費用が必要なため、物品費として使用の予定である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (8 results)

  • [Journal Article] 様々な反応サイクル時間をもつGroEL 変異体のデザイン--材料分析室利用研究成果、そのXXIX(3)--2019

    • Author(s)
      増田 恵、 依田 ひろみ、 小池 あゆみ
    • Journal Title

      神奈川工科大学研究報告.B,理工学編

      Volume: 43 Pages: 21-26

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] DDSキャリアを目指したシャペロニンGroEL/GroES複合体の改変2019

    • Author(s)
      根木麻耶加,依田ひろみ,小池あゆみ
    • Organizer
      第7回日本生物工学会東日本支部コロキウム
  • [Presentation] シャペロニンによる2―アントラセンカルボン酸のエナンチオ区別光環化二量化反応の制御2019

    • Author(s)
      小林 耕太,西嶋 政樹,荒木 保幸,和田 健彦,小池あゆみ
    • Organizer
      日本化学会第99春季年会
  • [Presentation] GroEL 自己重合によるタンパク質性ナノチューブ2019

    • Author(s)
      増田 恵,依田 ひろみ,前田 理帆グミラール,小池 あゆみ
    • Organizer
      電気化学会第86回大会
  • [Presentation] シャペロニンを反応場とした2-アントラセンカルボン酸のエナンチオ区別光環化二量化反応の検討2018

    • Author(s)
      小林耕太,西嶋政樹,小池あゆみ
    • Organizer
      生物工学若手研究者の集い 夏のセミナー2018
  • [Presentation] DDSキャリアを目指したシャペロニンGroEL/GroES複合体の改変2018

    • Author(s)
      根木麻耶加,依田ひろみ,小池あゆみ
    • Organizer
      生物工学若手研究者の集い 夏のセミナー2018
  • [Presentation] GroES様タンパク質であるGp31とTMA_044のGroELへの結合強度の解析2018

    • Author(s)
      野村弥南,小池あゆみ
    • Organizer
      第91回 日本生化学会大会
  • [Presentation] 等温滴定型熱量測定を用いたGroEL/GroES複合体の解析2018

    • Author(s)
      前田理帆グミラール,増田恵,小池あゆみ
    • Organizer
      第91回 日本生化学会大会
  • [Presentation] シャペロニンGroEL/GroESのリン酸化による反応調節機構の解析2018

    • Author(s)
      加賀美奈音,小池あゆみ
    • Organizer
      日本生物工学会東日本支部第13回学生発表討論会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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