2019 Fiscal Year Research-status Report
人工ユビキチンリガーゼを活用した迅速・高精度なユビキチン化の検出法の開発
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17K05942
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
宮本 和英 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (10415317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 真弓 (湯浅真弓) 姫路獨協大学, 薬学部, 助手 (40444509) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ユビキチン / バイオマーカ |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内でのタンパク質の品質管理機能を担うユビキチン化は、白血病などのがん疾患と関係が深く、ユビキチン化活性を高感度に検出できれば将来的に疾患の診断・病態把握が可能である。これまでにユビキチン化に関わる酵素であるユビキチンリガーゼ(E3)を人工的に作製し、これを活用することでユビキチン化活性の検出を進めてきた。本申請研究では、簡易検出できる検出システムの構築に向けて、迅速・高精度なイムノクロマトグラフィーで、ユビキチン化活性の検出を検討する。血清サンプルに最適な検出・測定条件を検討し、白血病の診断・病態把握の可能性を調査する。これまで分子設計技術に基づき(Miyamoto et al, J. Peptide Sci. 2012, Scientific Reports 2014)、急性前骨髄性白血病(APL)に関与するSIAH-1 活性部位を移植した人工E3 の設計・合成を行ってきた。この年度では、この人工E3の新技術と既存のイムノクロマトグラフィー法を活用して、がん細胞にあるユビキチン化に関与するE2活性の特異的検出を検討した。乳がん細胞に抗がん剤ボルテゾミブを添加した時、そのがん細胞中に存在するE2活性を検出できることが明らかになった。今後、細胞中のE2活性を、濃度依存的に検出できるかどうかなど、より詳細に調査していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請で予定していた研究内容は、概ね達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に基づき、独自に研究開発してきた人工分子である人工E3を活用して、がん細胞中のE2活性を検出できる簡易システムを構築していきたい。乳がん細胞を用いて、濃度依存的・特異的なE2活性検出が可能かどうかなど、さらに検討を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
現在、新型コロナウイルス感染による社会情勢によって、研究の進行が遅れ、また、学会の中止が相次いでいる。当初の研究計画・研究発表を変更する必要が生じてきた。
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