2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high recovery and selective rare metal recovery polymer and its application to a catalyst for effective conversion of methane
Project/Area Number |
17K05946
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
永井 大介 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (30375323)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高活性有機合成触媒 / パラジウムイオン / ナノシート触媒 / 溝呂木-Heck反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
レアメタルを吸着したポリマーの高活性有機合成触媒に応用するために、表面積向上を目指し、金属イオン担持ナノシート触媒を合成した。本研究では、有機溶媒を用いない環境適合性の高いナノシートの合成を目的に、金属配位ユニットとしてチオカルボニル基と、親水性ユニットとして水酸基を有する金属配位親水性ポリマーの分散水溶液とPd(II)イオン水溶液で形成される界面での吸着架橋反応挙動を検討した。比重の重いポリマー分散水溶液(1.50 g/cm3, 30 wt%)の上に比重の軽いPd(II)イオン水溶液(1.40 g/cm3, 14 mM)を加え、架橋反応によりナノシート合成を行ったところ、水溶液間で界面が形成され、シート状ゲルが得られた。得られたシート状ゲルの透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行ったところ、厚み117 nmのナノシートの生成が確認できた。XPS測定よりPd(II)由来のピークが観測され、IR測定より、ポリマーのチオカルボニル基がPd(II)に配位していることが確認された。さらに、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)分析により、Pd(II)イオンがナノシートに均一に分散していることが明らかとなり、高活性有機合成触媒としての応用が期待された。 合成したPdイオンナノシートを触媒とした溝呂木-Heck反応における触媒活性を評価した。ヨードベンゼンとメチルアクリレートの反応を、Pdイオンナノシート(0.03 mol%)存在下、N-メチルピロリドン中140℃で反応を行ったところ、ほぼ定量的に生成物が得られた。触媒量を減少させて反応を行ったところ、いずれの場合も定量的に反応が進行し、触媒回転数(TON)、触媒回転頻度(TOF)ともに顕著な増大が見られた。最大のTONとTOFは3,333,333と138,889であり、この値は世界最高で極めて高い触媒活性を示すことが明らかとなった。さらに、この触媒は5回以上リサイクル可能であった。
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Research Products
(4 results)