2017 Fiscal Year Research-status Report
Faster Photoconversion of Carbon Dioxide into Fuels Using Precisely Controlled Layers and the Monitoring of Dynamic Operation Steps by Microscopic Spectroscopy
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17K05961
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
泉 康雄 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (50251666)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低炭素化学 / 再生可能エネルギー / 触媒・化学プロセス / 太陽電池 / 二酸化炭素光燃料化 |
Outline of Annual Research Achievements |
TiO2, Zn3Ga-CO3 LDH (layered double hydroxide), Zn1.5Cu1.5Ga-CO3 LDH, Zn3Ga-Cu(OH)4 LDH, Zn1.5Cu1.5Ga-Cu(OH)4 LDH, Zn3Ga-Pd(OH)4 LDH, BiOCl, g-C3N4, Ga2O3の1~20 μm薄膜をPyrex基板上およびITO膜上に作製した。膜の厚み、平滑さ、およびITO電極膜上においては電気抵抗を断面SEM, UV-visible分光, HR-TEM, インピーダンス測定により調べた。数μmの偏差以内の均質な膜ができたが、市販のDSSC用負極の抵抗値にはわずかに劣った。上記を基に、少量のバインダーを添加したWO3, BiVO4薄膜を作製し、その上にTiO2積層膜を作製した。
上記5種LDH薄膜について、CO2 + H2光燃料化試験を行った。薄膜を423 Kで真空処理し、そのまま0.1~0.8 MPaで高圧光燃料化試験を行えるようにしたところ、H2 0.28 MPa, CO2 0.12 MPaで生成物のメタノール生成速度は最大(2.8 μmol/g(cat)/h)となり、同位体標識13CO2から13CH3Oフラグメントが12CH3OHおよび12CH3Oフラグメントよりも支配的に形成することを示した。しかし、LDH中の炭酸イオンおよび層間水も反応することが分かり、CO2およびH2圧依存性は上記を極大とする複雑な火山型依存性を示した。この反応条件下での光誘起される電子移行過程を放射光XAFSにより追跡し、Cu(II)サイトがCu(I)として受けた電子がCO2由来種に移行することを強く示唆した。
また、ITO膜上のTiO2およびBiOClを~1 μm厚としインピーダンスを最適化し、さらに有機色素を加えることで光燃料電池単セル2.05 Vの開放電圧を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
p-n積層膜による電荷分離の実証には至っていないが、膜作製と厚み、平滑さ、インピーダンスの評価を体系的に進めている。膜の厚みや平滑さ、インピーダンス、さらには処理条件によるCO2光燃料化の最適化、または光燃料電池の高電圧化に至った点が進捗した点である。
半導体膜内の電荷移動と関連して、放射光XAFS測定による追跡やGCMSによる反応機構の探索も進んだことから、総合するとおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の成果を基に、多層半導体膜および金属ナノ粒子のドット積層へと研究を進める。多層パターンの作製とその光触媒および光電極作用の評価と並行して、μmレベルの放射光X線による分析やGCMSを用いた反応経路の検証を体系的に行う。
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