2018 Fiscal Year Research-status Report
Faster Photoconversion of Carbon Dioxide into Fuels Using Precisely Controlled Layers and the Monitoring of Dynamic Operation Steps by Microscopic Spectroscopy
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17K05961
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
泉 康雄 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (50251666)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低炭素化学 / 再生可能エネルギー / 触媒・化学プロセス / 太陽電池 / 二酸化炭素光燃料化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において積層膜を利用してCO2光燃料化を進めてきたが、詳細な反応経路を知るためには炭素源を明らかにすることが最重要との中間結論に至った。そのため、まず積層しない光触媒について(i) 反応ガス中の13CO2, (ii) 空気から触媒に吸着した12CO2, (iii) 触媒調製過程に触媒中に混入した炭素種, (iv) いずれかの過程で触媒に吸着したCO2以外の有機物、いずれから光還元化合物が生ずるのか、厳密におさえることにした。
光触媒を探索したところ、酸化チタンを含む光触媒では酸化チタン合成・触媒調製過程で含炭素化合物を一切使用しない場合でも、13CO2 + H2からの光触媒反応試験を行うと12CH4を中心に生成した。よってivの寄与が大きく、それ以上の反応経路の解明を断念した。一方、銀ナノ粒子をドープした酸化ジルコニウム光触媒を用いると、主に13COが生成した。よってiの寄与が大きいが、一割強の12COも副生した。そこで13CO2との交換反応を行うと、2時間で交換平衡に達し、気相の13CO2と12CO2の比は、光還元して生成した13COと12COの比とよく一致した。よって12COはii由来で生成したことが分かり、Ag-ZrO2は全てCO2をCOに光還元し、不純物の影響(iii, iv)は無視できた。
以上の同位体ラベルした13CO2光燃料化の経時変化の報告は、本研究が初めてである。CO2 + moistureでも光触媒反応試験を実施したが、水が単独で分解する過程が支配的だった。これは紫外可視光照射に基づく局在表面プラズモン共鳴由来で363 K程度まで加熱された銀ナノ粒子表面が関与していると考えられる。そこで、マグネシウムイオンを光触媒中にドープするとCO2を捕捉することでCO2 + moisture下でもH2生成からCO生成へと光燃料化を進められることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
積層膜により、膜垂直方向に電荷分離を促進するというアイデアそのものは実現していないが、当初の構想でも酸素欠陥サイトおよび金属ナノ粒子表面での局在表面プラズモン共鳴による光酸化還元反応過程を想定していた。光還元生成物のC起源は本研究分野の全ての課題で明らかにされなければならない、根源的問題であり、それが解決された、あるいは解決の方法論を提示できた点で、当初の計画以上に進展していると判定した。
精密制御膜として本研究計画の一環として実施する計画をした、光燃料電池の改良は、ITO膜上のTiO2の結晶子径の最適化(20 nm)および水光酸化活性の最適化により実施し、さらに膜形成法の最適化(スライド法)を行い、さらにアントシアニジン有機色素を加えることで開放電圧2.11 V、最大出力73.1 μW/cm2を実現した点でも、研究課題は着実に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
精密制御積層膜で電荷分離する代わりに金属ナノ粒子と金属酸化物とで電荷分離でき、ここまでは従来よく知られている事実であったが、本研究では紫外可視光照射に基づく局在表面プラズモン共鳴が熱へ転化し、温度上昇によりH2の活性化、逆に水から生じたプロトンおよび水素原子の活性化を進めることをEXAFSを基に定量的に評価する方法を確立した。
上記の、本研究の成果を基に、局在表面プラズモン共鳴を示す銀、金、他の金属元素を変える実験、それらのナノ粒子径を段階的に変化させる実験、金属酸化物の種類を変える実験、さらには複合金属酸化物を合成することで、酸素欠陥サイト濃度を段階的に変化させる実験、を行うことにより、局在表面プラズモン共鳴を経由した温度上昇の程度、金属酸化物のバンドギャプの程度とCO2光燃料化との関連をさらに体系的に調べる。CO2光燃料化の反応速度を増加させるだけでなく、COより有効利用に有利なメタンおよびメタノール選択合成の可能性についても調べる。
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[Journal Article] Probing the Role of Nickel Dopant in Aqueous Colloidal ZnS Nanocrystals for Efficeint Solar-Driven CO2 Reduction2019
Author(s)
Hong Pang, Xiaguang Meng, Hui Song, Wei Zhou, Gaoliang Yang, Hongwei Zhang, Yasuo Izumi, Toshiaki Takei, Wipakorn Jewasuwan, Naoki Fukuta, and Jinhya Ye
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Journal Title
Applied Catalysis B
Volume: 244
Pages: 1013-1020
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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