2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K05974
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
船曳 一正 岐阜大学, 工学部, 教授 (50273123)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機太陽電池 / 色素増感型太陽電池 / 近赤外光 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、開発した色素ポリマーは、最大吸収波長は、965 nmまで長波長シフトし、吸収幅は3倍拡大することを明らかにした。先ずはヨウ素系レドックス系を用いた色素増感型太陽電池に利用したところ、その変換効率は極めて低かった。この光電変換率の低い原因を明らかにするために、色素の分子軌道計算の実施やサイクリックボルタンメトリーを測定した。その結果、色素のLUMOが酸化チタンのコンダクションバンドよりも低いことに原因があることを明らかにした。 また、新しい近赤外光吸収有機色素の骨格開発も実施し、可視光に吸収を持たず1000 nm以上に最大吸収波長を持つ有機色素の開発に研究室として初めて成功した。この新規近赤外光吸収有機色素のアニオンおよびメソ位に各種置換基を導入した色素を合成し、吸収スペクトル(UV-Vis)、サイクリックボルタンメトリー(酸化電位、還元電位)、色素溶液の光安定性、色素の熱安定性(TG-DTA)を測定し、1000 nm以上に最大吸収波長を持つ高耐熱性、高耐光性有機色素の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した有機色素ポリマーは、色素増感型太陽電池用増感剤として、現在のところ、十分な変換効率を示していないが、その原因は、サイクリックボルタンメトリーを測定することにより解明できた。また、可視光に吸収を持たずに1000 nm以上の近赤外光のみを吸収できる新規な高耐熱性、高耐光性有機色素を開発できた。
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Strategy for Future Research Activity |
合成した色素ポリマーのLUMOを向上させるために、色素モノマーの分子設計とポリマー合成の条件の最適化を実施する。 さらに、開発した可視光に吸収を持たずに1000 nm以上の近赤外光のみを吸収できる新規な高耐熱性、高耐光性有機色素にアンカー基を導入し、先ずはヨウ素系レドックス系を用いた色素増感型太陽電池に利用し、その太陽電池特性を測定する。 適宜、評価と照らし合わせて分子軌道法による色素類の合成計画にフィードバックし、高耐熱・高耐光な赤外吸収色素類の開発と無色透明DSSCセルを達成する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた分取用の中圧高速クロマトグラフィーを購入しなくても、現存の器具および装置で色素を分離精製できるたため。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Application of indoline dyes attached with strongly electron-withdrawing carboxylated indan-1,3-dione analogues linked with a hexylthiophenering to dye-sensitized solar cells2018
Author(s)
M. Matsui, Y. Tsuzuki, Y. Kubota, K. Funabiki, T. Inuzuka, K. Manseki,S. Higashijima, H. Miura, H. Sato, T. Yoshida
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Journal Title
Tetrahedron
Volume: 74
Pages: 3498-3506
DOI
Peer Reviewed
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