2019 Fiscal Year Annual Research Report
Polymer particles showing light-induced shape change
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17K05999
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
伊藤 大道 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (40363254)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高分子構造・物性 / 高分子微粒子 / 光 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は異方的形状を有する光応答性高分子微粒子の形成について検討を行った。本研究では光応答性アゾベンゼンを有するモノマー6-[4-(4'-methoxyphenylazo)phenoxy]hexyl methacrylate(以下、M6AB)に分散重合を適用して高分子微粒子を合成すると、ドラム缶型(短いシリンダー状)のユニークな形状の微粒子が得られるが、その形成過程は不明なままであった。そこで、次の3つのアプローチで検討を行った。(1)M6ABの高分子微粒子のGPC測定を詳細に分析し、重合が主に微粒子の内部で進行していることを明らかにした。(2)M6ABに紫外線を照射してアゾベンゼン部位をトランス体からシス体にした状態で分散重合を行ったところ、真球状の高分子微粒子を得た。トランス体のアゾベンゼンが形成する高次構造が関係していることがわかる。(3)この微粒子の内部でアゾベンゼンが層状のスメクチック相を形成していること、さらにシリンダーの軸方向に配向していることを既に明らかにしている。そこで、同様の構造を形成することが知られている別の2種のモノマーの分散重合をそれぞれ試みた。鋭意検討の結果、それぞれについて微粒子が得られる条件を見いだし、その形状は軸比は異なるものの、M6ABのときと同様の短いシリンダー状であった。以上のことから、モノマーが微粒子内で層状の高次構造を形成しながら重合することで短いシリンダー状の形状を形成したと考えるのが妥当である。 上記の成果を含むこれまでの成果を論文にまとめ、ACS Applied Polymer Materials誌に受理された。
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Research Products
(5 results)