2017 Fiscal Year Research-status Report
新規多分岐ポリカーボネートを用いたリチウムイオン二次電池へ応用可能なSPEの創製
Project/Area Number |
17K06000
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本九町 卓 長崎大学, 工学研究科, 助教 (70404241)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ポリカーボネート / 電解質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、目的とする高分子電解質の原料となるモノマーの合成を行った。本研究では、種々の分子量および分岐度を有する多分岐ポリカーボネートを得るために環状モノマーである5-Methyl-5-(hydroxymethyl)-1,3-dioxolan-2-onの合成法を詳細に検討した。 既報(K. D. Weilandt et al. Macromol. Chem. Phys. 197,3851-3868 (1996))に従って、ジメチルカーボネートとトリメチロールエタン、塩基性触媒としてナトリウムメトキシドを用いた。触媒量、温度、反応条件を詳細に検討したが、目的とする5-Methyl-5-(hydroxymethyl)-1,3-dioxolan-2-onは、5%程度でごく少量しか得られなかった。 次にジエチルカーボネートとトリメチロールエタン、固体酸性触媒としてAmberlighを用いたところ22%の収率で目的とする5-(hydroxymethyl)-1,3-dioxolan-2-onを得た。 得られた5-(hydroxymethyl)-1,3-dioxolan-2-onを用いて、無溶媒あるいは、種々の溶媒中で重合反応を行った。得られたジエチルエーテル不溶成分は、1H-NMR測定により主鎖にカーボネート基を、末端に水酸基を有する数平均分子量が1,000に満たないオリゴマーであった。化学構造の詳細な評価により、分岐度を見積もることは可能で有ることが明らかとなった。今後は分子量の向上を試みるために重合方法をさらに検討し、分子量が3,000程度以上となる重合条件を評価、見当する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的とする高分子電解質合成のためのモノマーの合成は、収率は低いものの行うことができた。しかしながら得られたモノマーの重合反応により得られる化合物の収率が非常に低いばかりでなくオリゴマー程度の分子量(数平均で1000程度)でしかないため、物性評価に至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
重合方法の詳細な検討を行う。目標とする分子量は、少なくともGPC(ポリスチレン換算)で3000以上の分子量を有するポリマーを得る。 得られたポリマーの化学構造を評価する。特に分岐度の評価法は、平成29年度中に確立した方法で行う。重合条件により得られる多分岐高分子の分子量および分岐度を評価する予定である。
|