2017 Fiscal Year Research-status Report
Design of solution structure as a stage for nucleation of nanoparticles and feasible application of ultrasound at MHz
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17K06025
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
榎本 尚也 有明工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (70232965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 核生成 / 出発溶液 / エイジング / 溶液構造 / 水・エタノールクラスタ / 単分散球 |
Outline of Annual Research Achievements |
水・エタノール等の相溶系混合物の溶液構造・クラスタ状態について、溶液の「寝かし(エイジング)」による経時的溶液構造変化に着目し、その溶液中におけるナノ粒子核生成挙動をプローブとして洞察する新奇な手法を提案するとともに、ナノ粒子製造プロセスの精密化を目指している。 初年度である平成29年度は、単分散球として最も作製しやすいStoberプロセスによるシリカ球の出発溶液として、A溶液(シリコンアルコキシド/エタノール溶媒)およびB溶液(水・アンモニア触媒/エタノール溶媒)を静置(control)、機械的振盪(MS, ~100 rpm)、微弱超音波振動(WUS、40 kHz)によるエイジング効果を対比した。その結果、A, B溶液を混合後から白濁を生じるまでの時間(IP, incubation period, 誘導期間と呼ぶ)は、エイジング時間とともに有意に長くなり、その傾向はWUS>MS>controlの順であった。十分時間反応させた後のシリカ球径はエイジングとともに大きくなる傾向にあった。 他方、Stoberプロセスに界面活性剤を加えたメソポーラス単分散シリカ球の合成、およびチタンアルコキシドを用いた単分散球合成について検討した。いずれも球形に近い粒子は合成できたものの単分散性が低く、本年度はエイジングの効果を議論するには至っていない。これら2つの系におけるIP測定ではエイジングによる何らかの効果があるような結果も得られたので、こうした現象論からのアプローチを継続し、シリカ球以外においても出発溶液のエイジング効果を検証していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エイジング処理として行う予定のメガヘルツ超音波照射に着手できていないものの、微弱超音波、機械振盪、静置の対比を行えたこと、シリカ以外での球状粒子合成条件をある程度検討できたのはプラスであった。エイジング手法の対比は再現性を含めて更に検証していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
前項と重複するが、メガヘルツ超音波を用いたエイジングを試みる。装置は既に入手しているが、音波強度レベルの調整と長時間照射の試行に工夫を要する。音波強度は最小レベルでもキャビテーションを生じて溶液の化学変化を誘起する可能性がある。そうした化学変化を含めてのエイジング処理効果を検証すると同時に出発溶液の保管瓶を簡易な遮音材で覆うことで対比実験を行うことを予定している。長時間照射については、装置の過負荷を考慮し、これまでの7 d, 14 d, 28 dといった長期間エイジングを行う前に、0.5 d, 1 d, 2 dなどで比較を行い、音波強度の検証とも併せて、適度なエイジング効果の差を見出したいとかんげている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は35円とごく僅かであり、次年度の繰越しとして消耗品に充てる。
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Research Products
(3 results)