2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Electromagnetic Wave Absorber Using Peanut Endothelial Carbonized Powder with Natural Helical Structure
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17K06043
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
飯塚 博 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (90142215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真一郎 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (10514391)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 電磁波吸収体 / 植物焼成炭素粉体 / 比誘電率 / 比透磁率 / Sパラメータ法 / 積層型電磁波吸収体 / 粉体分散性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、電磁波吸収特性への植物焼成炭素粉体粒径・配合量・吸収体厚さの影響に関するこれまでの知見に基づき、協力機関と連携して電磁波吸収体製品化を目指した試作・特性評価・吸収体設計の手法確立を行った。その際、より効率良く研究展開ができるように、これまで連携して研究を遂行してきた兵庫県立大学・山本真一郎准教授を協力教員として登録変更して本研究に参加頂いた。得られた結果の要約を以下に示す。 (1) 試作した電磁波吸収体の比誘電率と比透磁率を、Sパラメーター法を用いた測定結果から算出した。算出されたそれら物性値を用いて、センチ波領域における積層型電磁波吸収体の設計を行った。その結果、試作した積層型電磁波吸収体の測定結果と設計の際に予測した特性は良く一致した。 (2) ミリ波領域で比誘電率と比透磁率をSパラメータ法を用いて算出する際には、測定される数値の絶対値が小さいこともあり、算出時に計算誤差が大きくなることから、適切な両物性値を求めるには工夫が必要であった。得られた物性値を用いて、表面にピラミッド状の凹凸を付した電磁波吸収体の吸収特性の予測手法確立を目指したが、凹凸形状の効果も含めた予測までには至らなかった。 (3) 表面に凹凸形状を付した電磁波吸収体を射出成形で製作する際に、配合した焼成炭素粉体の分散性を光学顕微鏡を用いて観察し、さらにその観察画像からボロノイ分割法を用いた分散性の定量評価を行った。その結果、粉体は吸収体表面の凹凸先端までほぼ良好な分布状態であり、さらに成形時に破砕されずに残った焼成粉体も観察され、その粉体には植物が持つ特有の多孔質構造が保持されていることを確認した。 これら三年間にわたる研究開発によって、センチ波からミリ波に至る領域で電磁波吸収特性に優れた射出成形体を植物焼成炭素粉体を用いて作製することができた。
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Research Products
(4 results)