2018 Fiscal Year Research-status Report
New Crack-Tip Stress Distribution Scaling and its Application to the Prediction of Fracture Toughness Temperature Dependence
| Project/Area Number |
17K06050
|
|---|
| Research Institution | University of Fukui |
|---|
Principal Investigator |
飯井 俊行 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (10313727)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | 破壊靱性値 / 温度依存性 / 遷移温度域 / 応力分布スケーリング / 機械材料 / 材料力学 / 破壊力学 / き裂 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，温度毎に異なる破壊力学パラメータJ積分値，応力拡大係数Kに対応するき裂先端開口応力成分σ22分布の関係を統一（スケーリング）する手法を確立し，「すべり起因へき開破壊の場合には破壊時の応力が温度によらない」との知見を活用し，延性―脆性遷移温度域材の破壊靱性値Jcの温度依存性を予測する手法を構築し，その妥当性を検証することである．
H29年度にはまずT-scaling法，すなわち「小規模降伏条件の下で，J積分値に対応するHRR応力分布とK応力分布の交点に着目し，温度毎に異なるき裂先端開口応力成分σ22分布の関係を統一（スケーリング）する手法」を構築した．そして，基準温度Tr下の破壊靱性値Jcr，およびTr，予測対象温度Ti下の応力-ひずみ関係を取得し，T-scaling法と三次元弾塑性有限要素解析(EP-FEA)を用いてTi下の破壊靱性値Jciを予測する手法を構築し，これをSDS法と名付け，SDS法がS55C鋼（-85~20℃）に適用できることを示した．
H30年度は
(i)SDS法の妥当性を，延性-脆性遷移温度域材のSCM440鋼(-55 ~100℃)の引張試験，破壊靭性試験を行うことにより検証した．
(ii)SDS法を一歩進めて，EP-FEAが不要なCDS法（Jci=Jcr*(σYSi/σYSr)^(n+1)）；σYSi，σYSr は各温度の降伏応力，nは応力―ひずみ関係をRamberg-Osgood近似したときの指数）へ発展させ，SCM440鋼のみならず，S55Cに鋼ついても実用的に十分な精度でJcの温度依存性を予測しうることを示した．
(iii)SCM440鋼は，競合するASTM E1921のマスターカーブ（MC）法によりJcの温度依存性が予測できないことがわかり，CDS法の優位性を確認するとともに，MC法の課題について考察し，学術誌に発表した．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
破壊靱性値の温度依存性を予測するCDS法をSCM440鋼に対し予定通り検証できたこと．また，SCM440鋼は，競合するASTM E1921のMC法によりJcの温度依存性が予測できないことがわかり，CDS法の優位性を確認するとともに，波及成果として，MC法の課題について考察し，日本機械学会論文集，Theoretical and Applied Fracture Mechanics誌に検討成果を発表したこと．
|
| Strategy for Future Research Activity |
予定通り，構築したCDS法により，他の材料(原子力圧力容器鋼)，しかも広い温度範囲に対しその破壊靱性値温度依存性を予測できることを検証していく．
|
Research Products
(11 results)
