2018 Fiscal Year Research-status Report
ナノワイヤ利用微細凹凸による極低摩擦係数薄膜の開発
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17K06054
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
加藤 昌彦 福山大学, 工学部, 教授 (70274115)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノワイヤ / 摩擦 / はく離 / SiC |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノワイヤの高密度形成のため,基材をオーステナイト系ステンレス鋼(JIS:SUS304)として各種条件でプラズマ放電を実施した.その結果,受け入れ状態のままでは高密度に形成されないことがわかった.高密度化のため,浸炭処理を実施した.炭素粉中に試験片を浸漬し温度1273Kー1373K,時間1.8-72ksの範囲で加熱し,急冷した.その結果,ナノワイヤ形成密度に大きな向上はないことがわかった.浸炭による炭素浸入深さの不足が示唆されたので,炭素拡散の目的で,浸炭ののち1273Kで3.6-36ksの範囲で真空加熱を行った.この試験片を用いプラズマ放電を実施したところ,放電条件を適切にすれば形成密度が増加する傾向が明らかになった.
ナノワイヤを利用して形成した凹凸が摩擦係数に及ぼす影響の調査を引き続き行った.本年度はナノワイヤの高さが極めて低い場合のデータを取得することを行った.実験条件を種々変更して行うことにより,高さが1μm以下のナノワイヤを形成することができた.ナノワイヤを形成した試験片にSiC薄膜を成膜し,自作したピン・オン・ディスク方式摩擦摩耗試験機により摩擦係数評価を行った.その結果,ナノワイヤの高さが極めて低いと,摩擦係数は殆ど変化しないことが明らかとなった.
さらに,はく離強度評価のため,ステンレス円環に表面にナノワイヤを形成し,その後SiC薄膜を成膜した.円環圧縮試験により薄膜がはく離するととを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にくらべ遅れが生じている部分もあるが,他を前倒しで実施することにより,全体としては概ね計画に従って進行していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の方針に従って研究を遂行する.計画の大きな変更は予定していない.
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Causes of Carryover |
当初の計画の進行状況に前後の食い違いが生じたため.
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