2019 Fiscal Year Research-status Report
ナノワイヤ利用微細凹凸による極低摩擦係数薄膜の開発
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17K06054
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
加藤 昌彦 福山大学, 工学部, 教授 (70274115)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノワイヤ / プラズマ放電 / はく離 / 摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノワイヤ利用微細凹凸による極低摩擦係数薄膜の開発の研究では,新たに開発した,プラズマ放電により金属表面へナノワイヤを形成する研究に取り組んでいる.その原理は,真空チャンバー内を真空状態にし,ガス導入しながら高周波RF電源を用いて高周波電圧を印加すると,真空度が適切な範囲であるならばプラズマ放電が生じる.その環境に金属をさらすと,金属表面はプラズマにさらされるとともにプラズマ中のイオンの衝突により加熱され金属内の固溶元素が析出する.その状態でプラズマ放電を継続すると,析出物が成長するが,その際,チャンバー内の環境を適切な条件に設定すると,ナノワイヤ状に成長する. プラズマ放電による高密度ナノワイヤ形成の実験においては,高密度化達成のため候補となる材料探索を行った.その結果,ステンレス鋼が適していることをこれまでの研究で明らかにした.しかし,安定して高密度のナノワイヤの形成が困難であったり,形成密度にも限界があった,高密度ナノワイヤ形成条件の探索は研究の根幹である.これまでの研究において,ナノワイヤの形成密度が不十分である十分な強度や摩擦摩耗特性が得られないことが明らかになったので,本年度の研究においては密度向上に関する研究を,プラズマ放電条件の点から重点的に検討を行った.その結果,従来とは異なる条件を設定することにより,高密度のナノワイヤを形成させる可能性があることを新たに見いだした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究において,当初は想定していない条件の探索することで,新たな成果に結びつくことができた.計画当初予期していない結果の進捗があったので,概ね順調であると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
新たに発見したナノワイヤ生成条件を計画にすることを優先して取り組む.その後,より優れた摩擦,はく離特性を持つための条件に関する研究に取り組む.
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Causes of Carryover |
新たな発見に伴い計画が当初と異なったことによる.
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