2018 Fiscal Year Research-status Report
高強度高耐久性を有する革新的接合技術「環状溶接技術RSW」の開発
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17K06055
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
曙 紘之 広島大学, 工学研究科, 准教授 (50447215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅田 淳 広島大学, 工学研究科, 教授 (60162913)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 疲労 / 接合継手 / 破壊機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
抵抗スポット溶接,レーザー溶接,摩擦撹拌接合など各種接合技術は,自動車産業はもちろん,多くの産業分野における重要技術であり,機械・装置類の高機能化のため,より優れた耐久性が求められている.本研究では,これまで申請者らの行った薄板鋼板接合継手の強度特性に関する一連の研究から着想に至った『環状溶接技術RSW(Ring-Shaped Welding)』の開発を目的とする.環状溶接技術RSWにより負荷形式の異なる種々の薄板接合継手を作製し,その強度特性・耐久性を実験的・数値解析的両面から検討することにより,提案する環状溶接技術RSWが既存の溶接技術に比べ,高強度・高耐久性を発現する革新的な接合技術であることを実証する. 昨年度平成29年度においては,環状溶接技術RSW用の環状電極棒の作製,ならびに2種類の異なる負荷形式を受けるRSW継手の作製を行い,各種基礎的データの取得,また静的強度試験を行った. 今年度平成30年度においては,主に実機適用の際の安全性確保に重要な繰返し負荷に対する動的耐久性に重点を置き実験的検討を行った.その結果,本研究で提案するRSW継手は従来のスポット溶接継手と比較し,動的強度特性が大きく向上することが明らかとなり,その優位性が実証された. 翌年度平成31年度は,さらなる強度試験の実施,さらに有限要素法FEM解析を援用し,強度向上要因について詳細を検討する.さらに,より優れた疲労特性を有するRSW継手作成のための溶接方法の提案を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては,交付申請書に記載した計画通りに各種接合継手の動的強度特性を実験的に取得することに成功しているため,概ね順調と判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り,今年度の実験的検討により,本研究で提案した『環状溶接技術RSW(Ring-Shaped Welding)』による接合継手が作成可能であること,さらに従来のスポット溶接継手に比べ,静的強度,動的強度ともに優れていることが明らかとなった.今後は,実証された優位性をもたらす要因について,実験的検討のみならず,数値解析を用いた検討を行う.さらに,得られた知見に基づき,より高い強度特性を有する溶接条件の提案・開発にも取り組む予定である.
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Causes of Carryover |
今年度の研究成果である動的強度特性評価の結果について学会・講演会にて発表する予定であったが,当該実験に予想以上の時間がかかったため,予定していた学会発表が行えず未使用額が生じた. 発表予定の成果発表については次年度発表する予定であり,未使用額はその経費に充てることとしたい.
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