2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of fast far-field Raman microspectroscopy for stress imaging using surface plasmon resonance
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17K06066
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
來海 博央 名城大学, 理工学部, 教授 (30324453)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ラマン分光法 / 領域分光 / ポリカーボネート / ひずみ測定 / 直接イメージング / 表面プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,高速広域ラマン分光応力イメージング装置の開発と樹脂の評価の可能性,表面プラズモンによるラマン散乱強度の評価を行った. 第一に継続課題であったバンドルファイバーの改良を試みた.入射側が2次元配列の10×10点,検出側は二分岐させて各出射側に1次元配列で1×50点である.モデルバンドルファイバーで検証した結果,光ファイバーの端面精度が大きく影響し,端面の光ファイバーを研磨することで改善を行った. 次に領域分光を行うため,従来の照射光学系を改良し,イメージングと分光を同時に可能とする光学系を構築した.そして,5μmポリエチレンビーズ,多結晶アルミナの直接イメージング,ならびに多結晶のアルミナとシリコンの粒界イメージングを行った.その結果,直接イメージングでは粒子や粒界を,偏光イメージングでは結晶方位と粒界を精度よく推定できた. 第三に,成形方法が異なるポリカーボネート(PC)の偏光ラマン測定を行った.昨年度より,押出し成形のPCにおいて,分子鎖,ひずみならびに損傷をラマン分光測定により評価できることを示した.今年度は,射出成型されたPCについて評価した.その結果,PCで検出できるラマン散乱光の多くにおいて強度の周期性が得られ,その変化は押出し材よりも明確に表れた.プラスチックスは成形方法が異なると内部構造が大きく変わり,ラマン散乱強度が分子の配向方向と関連することが分かった. 最後に,金ナノ粒子による表面プラズモン形成による材料評価を行った.金ナノ粒子は40nmのものを使用し,移流集積法とより簡便な滴下法で行った.Siにおいては同程度の増強効果が得られたので,GrapheneとPCでも滴下法で行った.GrapheneではSiと同程度の増強,PCでは十分な増強は確認できなかった.これはPCの表面粗さにより表面に堆積させた金ナノ粒子が層を形成していないためだと考えられる.
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