2017 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of fusion gradient interphase by nano particle between thermoplastic CFRP and dissimilar materials and its characteristic evaluation
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17K06070
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西籔 和明 近畿大学, 理工学部, 教授 (30208235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邉 大貴 和歌山工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (70792216)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱可塑性CFRP / 接合 / 融着界面 / 異種材 / 電気式融着 / 引張せん断強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生産性や耐衝撃性および再利用性に優れる熱可塑性CFRPと金属との融着接合の高度化を実現する革新的な材料設計とそのプロセスを提案し,金属と熱可塑性CFRPの融着界面現象の解明を目的としている.具体的には,特殊なプライマー処理剤を機能性ナノ粒子とナノファイバの複合創製技術により作製して金属表面に被覆し,開繊炭素繊維への通電加熱による熱エネルギーを利用して融着面の樹脂を溶融させると同時に,その熱エネルギーにより融着層の化学結合を促進させ,融着界面ナノ粒子傾斜相を創製する高度な異種材融着接合法を探求することを目指している. 本年度は,金属と熱可塑性CFRPの異種材融着接合を行うために,開繊および織物炭素繊維を抵抗発熱体に用いた電気式融着接合を実施し,抵抗発熱体の材質や形態および融着部の寸法形状に着目して研究を行った.その結果,開繊炭素繊維を用いた場合は引張せん断強度が向上するが,炭素繊維の偏在により,融着接合部の加熱温度分布が不均一になりやすいことが分かった.一方,織物炭素繊維を抵抗発熱体に用いた場合では,連続的な織構造を有しているため,不均一な加熱温度分布となり,安定的に融着接合が可能となるが,引張せん断強度は開繊炭素繊維を用いた場合と比べて15%程度低下することが分かった.一方で,本年度は任意の波形で電流および電圧を印加可能なバイポーラ電源装置を導入し,周波数を種々変化させながら炭素繊維抵抗発熱体を通電加熱し,融着界面傾斜層を創製するための知見を得た.金属表面側からのアプローチとして,金属表面のレーザー処理や放電加工処理等を行った結果,接合面の粗面化やコンタミネーションの除去による接合強度の向上が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,異種材接合を実現するために,開繊および織物炭素繊維を用いた抵抗発熱体を提案し,織物CF/PPS積層板どうしの抵抗融着接合挙動を評価した.この結果について,学術論文への投稿を1件行い,査読中である.また,本研究内容についての国際会議2件が採択済みで国内会議3件以上の口頭発表を既に行っている.また,本年度はバイポーラ電源を導入して,本年度に挙げた研究課題の一つである通電加熱条件および周波数条件の適正化を行い,融着界面傾斜層を創製するための知見を得た.一方で,金属表面へのプライマー処理の選定および評価に時間を要しており,当初予定していたナノ粒子添加ナノファイバの作製に現段階では至っていない.この理由は,ナノ粒子の凝集やPPS等の高い融点を有するスーパーエンプラ材の融着温度に耐えうるプライマーの調製が困難であることが主な原因である.
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Strategy for Future Research Activity |
融着接合部の加熱温度分布の均一化とその加熱挙動の評価は完了し,バイポーラ電源を用いた周波数変化が抵抗発熱体の加熱挙動に及ぼす影響に関する知見が得られたので,今後は通電および周波数条件の適正化と,融着界面ナノ粒子傾斜層を創製するためのナノ粒子分散溶液の作製およびナノファイバの作製に着手する.また,熱可塑性CFRPの母材樹脂の結晶化度が接合強度や融着部の物性に影響すること判明したので,今後は冷却速度や時間を考慮した異種材融着界面現象の把握も行う方針である.
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Causes of Carryover |
年度末に支出予定の物品が残額よりも高額であったため、次年度の予算で購入することになり,年度末残額を次年度に繰越すことにした。
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Research Products
(9 results)