2017 Fiscal Year Research-status Report

インプラント周囲炎抑制のための軟組織との接着を可能にする表面改質プロセスの確立

Research Project

Project/Area Number	17K06074
Research Institution	Tohoku University
Principal Investigator	水谷正義東北大学, 工学研究科, 准教授 (50398640)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	菅野太郎東北大学, 歯学研究科, 教授 (30302160) 中村圭祐東北大学, 歯学研究科, 講師 (30431589) 早川徹鶴見大学, 歯学部, 教授 (40172994) 廣田正嗣鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (50734860)
Project Period (FY)	2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords	レーザ加工 / 歯科インプラント / 生体親和性
Outline of Annual Research Achievements	本年度はまず，「シミュレーションによる加工現象の解析」とその「実験的検証」を進めた．具体的には，熱伝導解析を用いてレーザ照射時に生じる現象の可視化を試みた．その結果，レーザ照射直後は瞬間的に1万度前後の温度に到達し，それが数ナノ秒後には常温付近まで低下することや，時間経過とともに材料内部に熱が伝播する挙動を明らかにした．実験的には，1パルス当たりのレーザ照射により，材料が溶融・蒸発し，除去するためのエネルギ量と，その際の材料表面の酸化度合いについて系統的にまとめ，プロセスマッピングを作成した．さらに次年度以降に行う予定の「動物実験による病理組織学的評価」についても先行してスタートしており，一定の成果を得ている．具体的には，レーザ照射条件によって組織との親和性に大きな差異が生じることを明らかにした．現在はこのような現象がどういった機序で生じるかについて考察を行っているところであるが，いずれにしても本研究で提案する手法により，軟組織と強固に固着する表面創成が可能となるところまで到達している．
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 1: Research has progressed more than it was originally planned. Reason 研究実績の概要でも述べた通り，本年度は次年度以降に行う予定であった「動物実験による病理組織学的評価」についても先行してスタートしている．その結果，レーザ照射条件によって組織との親和性に大きな差異が生じることを明らかにした．現在はこのような現象がどういった機序で生じるかについて考察を行っているところであり，研究は当初計画以上に進展している．
Strategy for Future Research Activity	今後は，レーザ加工により得られる表面に対し，軟組織の接着に関する繊維芽細胞を用いた細胞学的評価，動物実験による病理組織学的評価を行うことにより，加工面上でどのような機序で軟組織の接着が起こるかについて解明する．最終的には，各項目で得られた知見を統合化することにより軟組織の接着に適した表面設計を行う．なお，研究が計画通りに進まない場合には各項目間で対応する研究内容ごとにデータの見直しと結果のフィードバックにより問題の解決を図る．