2017 Fiscal Year Research-status Report
炭素繊維強化プラスチックの高能率・高品質ドライ研削加工技術の開発研究
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17K06080
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 一仁 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10223918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 紘幸 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (60743755)
藤原 貴典 岡山大学, 研究推進産学官連携機構, 教授 (20274011)
大西 孝 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90630830)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CFRP / 研削 / ドライ加工 / ドライアイス / 目づまり |
Outline of Annual Research Achievements |
CFRPの平面研削を対象として,平面研削盤において砥石表面にドライアイス粒子を高速投射するシステムを試作した.砥石表面の複雑かつ微罪な凹凸形状に付着した切りくず除去の効果やドライアイスの取り扱い性などを考慮して,液化二酸化炭素からドライアイスの微粉を精製し,アシストガスとともに砥石表面に高圧投射(ブラスト)する方式を採用した.ドライアイスブラストを実施しない通常のドライ研削の場合と比較検討した.その結果,通常ドライ研削では直ちに砥石表面への目づまりが発生し,研削不能となるとともにCFRPの加工面に著しいデラミネーションなどの品質低下が見られたものの,研削中にドライアイスブラストを実施した場合は,砥石の目づまりがほとんど発生せず初期の研削性能が持続することが明らかになった.このことから,CFRPのドライ研削加工においてドライアイスブラストによる目づまり抑制効果が認められた.また,研削現象の面からドライアイスブラストによる目づまり抑制効果を検討するため,研削加工におけるCFRPと研削砥石の接触面の温度を測定した.測定にはCFRPにコンスタンタンの微細被覆ワイヤを埋め込み,研削面においてコンスタンタンとカーボン繊維により構成させる接点の熱起電力を測定することにより研削点の温度を求めた.その結果,研削の初期においては,研削温度に大きな違いは認められなかったが,通常ドライ研削で目づまりが発生すると研削温度が急激に上昇し,マトリックス樹脂のガラス転移点を大きく上回ることが明らかになった.さらに,研削抵抗の推移についても検討し,研削温度同様にドライアイスブラストにより研削抵抗も初期の値が持続することが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドライアイスブラストの最適な投射条件についてはまだ検討の余地があるものの,本研究の主旨であるCFRPのドライ研削加工における目づまり抑制効果を立証することができ,おおむね順調に研究が推進していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
ドライアイスブラストの最適な投射条件について流動解析等も含めてさらに検討を継続するとともに,研削温度がCFRPの加工面近傍に及ぼす影響についても検討する.その結果も踏まえてドライアイスブラストの効果を検討する.また,ドライアイスブラストの適用により砥石表面の温度低下が生じ,ドライアイスブラストの継続的な効果に影響を及ぼすことが想定されるため,ドライアイスブラストの効果を維持する技術についても検討を加えていきたい.
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Causes of Carryover |
CFRPとダイヤモンド砥石の仕様決定に時期を要したことと,それらの納期が希望どおりにならなかったため次年度使用額が大きくなった.ただし,実験には手持ちでわずかに保有していたダイヤモンド砥石とCFRPを使用しており,当該年度の研究成果に大きな影響は生じなかった. CFRPとダイヤモンド砥石の仕様が定まったので,実験に使用する消耗品を中心に計画的に使用する.また,国際会議での発表も予定しており,その他の学会も含めて積極的な成果発表の旅費,参加登録費等に使用する.
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Research Products
(4 results)