2017 Fiscal Year Research-status Report
電子デバイス用硬脆材基板のレーザ割断システムの構築
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17K06081
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 啓司 広島大学, 工学研究科, 教授 (50242532)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レーザ加工 / 熱応力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,レーザを熱源とした熱応力割断加工において.加工中に応力分布をリアルタイムで観測する実験システムを改良し,赤外線光源外撮像素子とを組み合わせた観測光学系を新たに増設して従来は観測できなかった硬脆材基盤にも提案システムを適用し得るようにする. 初年度は,新たな観察光源を増設するとともに赤外撮像素子を導入するとともに観測光学系を構築し,また,弾性波(Acoustic Emission)測定器を実験装置に組み込んだ.本装置は,今後,実験に供する. 一方,可視光を観察光源とした実験系を使用したガラス基板の割断加工実験も並行して実施しており,事前検証によって顕かとしていた円弧状割断加工におけるき裂進展の逸脱現象を対象として調査した.レーザ割断加工実験において得た等傾線観察結果から,基盤内に生じている主応力方向分布図を得て,加工誤差(すなわちき裂の逸脱)の原因となる応力分布の非対称性を明らかとした.また,同実験における等径線連続観察によって,応力分布の非対称性がレーザ走査中に変動することを示し,これが原因となって加工誤差も加工中に変動することを明らかとした. さらに,基板材料の温度変化による光弾性係数の変動に起因する光弾性観察結果への影響を定量化するために,温度センサを内蔵したひずみゲージを使用した検証実験を実施し,その結果に基づいて影響を補償した観測結果を得るための手法について検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遠赤外線素子の仕様策定,光学系設計の打合せと製品納入に時間がかかったため,実験開始が遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
遠赤外線光源を観察光とし,半導体基板材料の割断加工を実施し,初年度の成果を活用して応力分布解析を行う.
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れのため,学会発表(1回)を未実施で次年度に持ち越したため.次年度は,当初予定の海外国際学会に加えて国内学会発表を実施することとする.
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