2018 Fiscal Year Research-status Report
部分テクスチャによるジャーナル軸受の自励振動安定性向上
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17K06113
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田浦 裕生 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20334691)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トライボロジー / ロータダイナミクス / 滑り軸受 / ジャーナル軸受 / 安定性 / 表面テクスチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度,理論面においては表面テクスチャを設けた軸受面に対して,質量流量保存則を考慮した数値解析プログラムを完成させた.完成させたプログラムを用いて,テクスチャ開始角,テクスチャ幅を広い範囲で変化させて,部分テクスチャ軸受の負荷容量,油膜動特性および同軸受で支持された回転軸の安定性を求め,その結果をテクスチャ開始角とテクスチャ幅を縦軸,横軸とするマップにまとめた.得られたマップより,負荷容量および回転軸の安定性を両立させる部分テクスチャが存在することを明らかにした.また,この両立可能な範囲に,反負荷側にのみテクスチャを設けることものも含まれていることを示した.軸受製作において,反負荷側にのみテクスチャを設けることは,非常に容易であることから,本研究の工学的に有効性を示す結果が得られた. 実験面では,軸受面の四分の一に表面テクスチャを設けた試験軸受を試作し,動特性の実験を実施した.同試験軸受は,回転方向と荷重方向を切り替えることで4つのテクスチャ開始角に対応するものであり,現在,開始角を変化させて主に静特性の測定を実施している.ただし,軽荷重において自励振動が発生しており,この条件を避けるように実験条件を設定することで解決を行った. 回転軸の安定性を直接測定するための,ロータ試験機の設計と発注を行った.本年度得られた理論面の結果に基づいて試験軸受を設計した.次年度は動特性に加えて,回転軸の安定性を直接評価する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論面については,部分テクスチャ軸受の最適形状の探索がある程度完了した.得られた結果より,反負荷側にのみ表面テクスチャを設けることで,安定性と負荷容量を両立できることが明らかとなった. 実験面については,軸受面の四分の一に表面テクスチャを作成した試験軸受を作成し,油膜の動特性の測定実験を実施した.軽荷重下において自励振動が発生するなどの問題が発生したため,その解決を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
理論面においては,質量流量保存則とテクスチャ段差部におけるエネルギー損失の両方を考慮した理論を完成させることで,広い運転条件における最適なテクスチャ領域を明らかにする. 実験面については,昨年度実施できなかった動特性実験の残りを実施する.さらに安定性試験を追加で行い,部分テクスチャによる回転軸の安定性に向上を明らかにする.
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Causes of Carryover |
回転軸の安定性試験機の発注が遅くなったため,未使用金額が発生した.本年度発注手続きを進める.
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