2017 Fiscal Year Research-status Report
Ultra-precise machine system based on 6-dof motion measurement with laser interferometry-based trackers
Project/Area Number |
17K06116
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大岩 孝彰 静岡大学, 工学部, 教授 (00223727)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精密機械システム / 6自由度運動誤差 / レーザトラッカ / パラレルメカニズム / 2自由度回転機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は,加工や計測のための超精密な機械システムを開発することにある.このシステムでは,機械のツールとワーク間の位置決め精度および運動精度向上のために,内・外乱(外力・熱など)の影響を受けずにワークの載る定盤とツール主軸(スピンドル)との間の6自由度相対運動を6台の追尾式レーザ干渉計(レーザトラッカ)を利用して正確に非接触で計測しフィードバック補正を行う.本研究計画では,1台のレーザトラッカを試作し,その2点間距離計測精度の検証を行う. 空間内での距離計測や3D座標計測に用いられるレーザ干渉式トラッキングシステムでは,従来はジンバルメカニズムや3自由度球面モータで駆動されるミラーによってレーザ照射方向を変化させてターゲットミラーを追尾してきた.本研究計画では先ず,球面ジョイントで支持されるムービングプラットフォーム上に設置したレーザ光源を2台の直動アクチュエータとリンク機構で駆動する空間2自由度回転形パラレルメカニズムを考案した.この2自由度パラレルメカニズムは2台の直動アクチュエータ(VCM:ボイスコイルモータ)で駆動する.VCMの制御は,リトロレフレクタからの戻り光をヘッド直前に置いたビームスプリッタにて4分割フォトダイオードに導き,ビームが常に4分割フォトダイオードの中央に戻ってくるように2台のVCMをPID制御する.これにより常にレーザヘッドがターゲットを追尾することが可能となる.平成29年度は以上のVCM駆動によるパラレルマニピュレータを試作し,その動作を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
考案した空間2自由度回転形パラレルマニピュレータの開発は,VCMをアクチュエータとして順調に開発できた.しかし,2軸回りの回転に伴い残りの回転方向に望ましくない寄生運動が±7°程度発生した.搭載を予定しているレーザ干渉測長センサはこの寄生運動の影響を受けにくいと考えられるが,一般的なレーザ干渉測長センサのためには,この運動誤差は±3°以下に押さえる必要がある.このため,リンク配置の再検討を行っていたため,進捗にやや遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発したパラレルマニピュレータにレーザ干渉測長センサおよびトラッキング制御用のQPDセンサなどを搭載し,コーナーキューブミラーをターゲットとして追尾する実験を行う. 次に,このレーザトラッカの計測安定性(繰り返し計測精度)および室温変動の影響を評価する.具体的には,レーザトラッカとターゲットミラーを低熱膨張材(スーパーインバー)製部材で連結する.ここでトラッカとミラーの距離は固定長とし,レーザ干渉測長器の計測値のノイズおよび時間的安定性の評価を行う.また恒温室の室温を変化させた場合の温度依存性についても評価する.本計測の目標値としてはコラムおよびベース部材の線膨張係数(約0.5ppm/K)程度とする. 続いて,ターゲットを空間内で移動させた場合のトラッカの距離計測精度および室温変動の影響を評価する.具体的には,現有設備である直交座標形三次元座標測定機(CMM,B&S社)のプローブの替わりにターゲットミラーを取付け,測定定盤上に設置したレーザトラッカにて距離計測を行う.CMMの各移動軸の変位(XYZ)を正しい値として,距離計測値の評価を行う.移動範囲は最終的に搭載予定の試作機のそれ(300x300x300)程度とする.また室温を変化させた際にも同様の計測を行い,温度依存性を評価する.
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