2018 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of origin of Attached-Eddy in a boundary layer using significant slow transition
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17K06147
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
前川 博 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特命教授 (90145459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 大輔 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 講師 (70363033)
井上 洋平 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40397625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際ワークショップ / 乱流遷移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の研究計画である国際ワークショップ開催(平成29年9月16日~22日)に際して,海外招聘研究者(Johns-Hopkins大学Zaki教授,スウェーデン王立工科大学Fransson教授)との乱流遷移に関する議論によって,平板境界層には発達する主流乱れより生成される乱流スポット解析に関わる研究手法の改善と進展を行った.乱流エネルギーの中からCross-Flow速度変動成分の抽出により緩慢な遷移状態で出現する乱流スポット形成に関わる状態図の作成が完成した.従来の非圧縮性境界層に関する主流乱れの大きさが3%以上に対して.攪乱振幅が相当小さくすることによって,壁近傍境界層流れの中に縮退して存在する各種の渦流れを分類することができた.基準になるストリークに対して対称な形状をもつヘアピン渦をもつ対象構造と,ヘアピン渦を持たずに流れ方向渦対からなるストリークに対した反対称な構造に分類できることが解明された.それぞれの起源はストリーク構造が流れ方向に対して直列的に生成される遷移状態と並列的に生成される状態である.統計的には並列状態が多く,特に,低速ストリーク及び高速ストリーク対が対称に生成される場合明確な反対称な構造の生成が観察された.構造が反対称な場合は,Cross-Flowエネルギーは急激に大きくなり,最終的に乱流スポットが形成される.乱流スポットの下流には低速ストリークが形成されており,その中に渦形成が開始される.乱流スポットは変動エネルギーが大きな局所構造に発達し,その周り(特にその上流)で変動成長の起源となる渦運動が形成されていることが観察された.さらに,変動エネルギーの周波数分析によって高周波的な準周期性をもつ反対称構造はより低周波な準周期性をもつ乱流スポット核が生成されることが見いだされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度において実験的研究によって研究課題である”Attached-Eddy"に対応する乱流境界層中に形成される低速領域と境界層全体に発達した対称性が強い構造が,特殊な境界条件において統計的に抽出することができた.平成30年度は大規模数値計算によって,”Attached-Eddy"の起源と考えられる乱流スポット生成メカニズムが,国際ワークショップでの議論を経て着目物理量の着眼によって一定程度明らかになった.
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Strategy for Future Research Activity |
実験結果で得られた”Attached-Eddy"と同類の特徴(対称性)を持つ構造が,平成30年度に観察された乱流スポットから発達する研究を推進する.境界条件を固定するすることによって得られた”Attached-Eddy"と同類な構造は,周囲の乱流状態の影響を受けにくい局所乱流スポットから発達すると仮定して引き続き大規模計算結果の解析で行う計画である.
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Causes of Carryover |
本課題に関連した平成29年度開催した国際ワークショップにおける旅費への支出が比較的小さかったため繰り越し,本年度スパコン利用料金や実験解析に必要な物品購入費に充てるとともに,国際共同研究に発展させることが出来るように当該研究者との打ち合わせや研究成果の発表旅費に使用する計画である.
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