2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of Taylor flow generator by making use of interface stabilization effect of surfactant
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17K06158
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 公祐 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (60455152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 茂雄 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10252793)
冨山 明男 神戸大学, 工学研究科, 教授 (30211402)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 気泡 / マイクロチャンネル / 界面活性剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ流路を用いたマイクロ反応器や微細構造生成装置の高効率化のため,高い気・液相流量におけるテイラー流(砲弾型(テイラー)気泡が並んだ流れ)の実現が望まれている.しかしながら,高流量では気泡分裂によりテイラー気泡が形成できない,気泡形状振動が大きい,という問題がある.本研究では,界面活性剤を利用して気液界面の力学的バランスを操作することで,高流量でも一様かつ安定なテイラー流を形成できる気泡生成器を開発することを目的とする.本目的達成のため,以下の要素研究に分類して逐次進めている.①マイクロ流路内テイラー流制御の実証検証、②汚染系テイラー流の特性評価、③界面活性剤濃度分布の数値予測、④②・③で得た実験・数値計算結果に基づくテイラー流生成器の最適化.気泡実験について本年度は、当初計画に沿った実験装置を製作し、装置の調整を重ねることで気液合流部における気泡生成、テイラー流形成に成功した。また、気液流量配分に対するテイラー流構造の依存性に関する基礎データの蓄積を開始している。また、気泡に作用する流体力に及ぼす界面活性剤の影響について数値的検討を推進し、界面活性剤の吸脱着特性により適切な流体力の整理方法を採用する必要があることを明らかにし、さらに、汚染度が非常に高い場合の低レイノルズ数気泡の振る舞いについて詳細な数値的検討を行い、高濃度の界面活性剤が気泡運動に及ぼす影響に関する重要な知見を得た。数値計算に関する成果については、既に1編の国際学術誌と1件の国際会議にて発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気泡実験について本年度は仮実験、装置改良、データ取得を当初計画としており、これらについて、当初計画に沿った実験装置を製作できたこと、装置の調整を重ね、気液合流部における気泡生成、テイラー流形成に成功したこと、気液流量配分に対するテイラー流構造の依存性に関する基礎データを蓄積しつつあることより、概ね順調に進展しているといえる。また、数値計算については、既開発技術のマイクロチャンネル用調整、検証を当初計画しており、気泡に作用する流体力に及ぼす界面活性剤の影響について数値的検討を推進し、界面活性剤の吸脱着特性により適切な流体力の整理方法を採用する必要があることを明らかにし、さらに、汚染度が非常に高い場合の低レイノルズ数気泡の振る舞いについて詳細な数値的検討を行い、高濃度の界面活性剤が気泡運動に及ぼす影響に関する重要な知見を得た。数値計算に関する成果については、既に1編の国際学術誌と1件の国際会議にて発表している。H30年度の研究もこれらの進展を踏まえて円滑に継続することができる。以上のことから、本研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
【現在までの進捗状況】に記載したように、本研究は当初計画に沿って概ね順調に進展しており、今後の研究についても、当初計画の完遂に向けて推進していく。実験については、本年度製作した実験装置の調整を突き詰めつつ、必要な実験データの取得を進めていく。数値計算については、前述の通り界面活性剤に汚染された気泡の力学に関する重要な知見を得るなど成果を挙げているが、これらの成果のマイクロチャンネル内テイラー流への応用をさらに推進していく。実験装置の改良および計算環境の拡充を適宜行い、円滑に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
本研究のH29年度実施内容は概ね当初計画通りに進んでいるが、種々の流体物性に変更した実験データベースを構築するための流体および改良部品の手配については、結果次第で実験装置および実験条件の別角度からの調整が必要となる可能性があったため、予定よりも若干少なく行った。そのためH29年度使用額が当初計画よりも少なくなっているが、同内容はH30年度に行うため、全て次年度に使用する予定である。よって、計画全体に支障はない。
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Research Products
(2 results)