2019 Fiscal Year Annual Research Report
Predicted ignitability index based on the molecular structures of hydrocarbons for modern diesel combustion
Project/Area Number |
17K06177
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小川 英之 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40185509)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 着火遅れ / ディーゼルエンジン / セタン価 / 酸素濃度 / 温度 / 圧縮比 / アレニウスの式 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のディーゼルエンジンにおいて想定される範囲内で吸気温度,吸気圧力,吸気酸素濃度,燃料噴射圧力,および燃料のセタン価を広範かつ独立に変化させた際の着火遅れを実測し,各因子の影響を解明するととともに,燃料の新着火性指標を構築するための基礎となる簡便な着火遅れ予測式の構築を試みた. その結果,EGRによる吸気酸素濃度の低下にともなう着火遅れ増加の主要因は,燃料と酸素の遭遇確率の減少であるが,シリンダ内ガスの比熱比が減少して筒内温度が低下することも相乗的に作用している可能性があることを明らかにした.一方,吸気圧力の高圧化は上死点近傍での筒内圧力に大きく影響し,その結果として着火遅れの短縮に寄与すること,および吸気温度の上昇に対して燃料噴射時の平均筒内ガス温度が直線的に上昇し,それに対応して着火遅れは減少することがわかった. 燃料噴射圧力の上昇にともなって混合気形成が促進され着火遅れは短縮するが,燃料噴射圧力の上昇は,噴霧分裂時間の短縮に加えて,噴霧内における当量比および温度の経過に影響を与えるため,物理的着火遅れのみならず,化学的着火遅れにも影響を及ぼすことを明らかにした. 燃料噴射開始時の酸素分圧および平均筒内ガス温度を説明変数としたアレニウス型着火遅れ予測式に,各セタン価燃料の実測の着火遅れを与えてE/Rを未知数として求めたところ,セタン価CNに反比例する関数で与えることができた.それをもとに,セタン価が32から78の燃料について,前述の関数でE/Rを着火遅れの予測式に与えて本実験結果に適用したところ,雰囲気の圧力および温度の変化が比較的小さい着火遅れが2.0 ms よりも短い場合には,高い精度で着火遅れの予測が可能であった.
|
Research Products
(1 results)