2017 Fiscal Year Research-status Report
担体フリー非白金・非炭素触媒の細孔制御とこれを用いた燃料電池触媒層の高性能化
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17K06180
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
千坂 光陽 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (20513310)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非白金 / 非貴金属 / 酸化チタン / 酸素還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は以下の二点に注力して、研究課題を実施した。 (1)シリカテンプレートを用いた担体フリーチタン酸窒化物触媒への細孔形成 研究計画に基づき、簡易燃焼法を用いてシリカを添加したチタン酸窒化物触媒を合成後、フッ酸洗浄することで触媒に細孔を形成した。触媒の微細化・高比表面積化が本手法の目的であるが、そのサイクリックボルタモグラムから電気化学的表面積が狙い通り増加した。一方そのX線光電子分光スペクトルから、フッ酸洗浄により触媒表面が一部酸化されたため、当初予定していなかったアンモニア雰囲気でのアニール処理を追加した。アニール温度・時間を触媒性能に対して最適化し、これらが反応選択性に与える影響を解明した。得られた結論は下記の通りである。・シリカテンプレートを利用することにより、チタン酸窒化物触媒の電気化学的表面積が増加し、これまで必要としていた2 mg/cm2の触媒使用量を半減させても性能は一切低下しなかった。・その表面では主として酸素分子が直接水に変換される四電子反応が進行していたものの、過酸化水素が生成する二電子反応も10%程度進行していた。シリカは十分に除去しきれておらず、反応サイトへの酸素分子吸着を阻害して反応機構に影響した可能性がある。 (2)チタン酸窒化物触媒の反応サイト解明と合成条件最適化 (1)と並行して、本触媒の反応サイト形成プロセスを解明し、表面が酸化されたTiN相が性能発現に必要不可欠であることを見出した。さらに初めて本触媒表層の窒素濃度を一定にして反応サイトを探索し、TiN表面に生成したルチル型二酸化チタン相における酸素欠陥が、反応サイトを生成していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
他の非白金触媒と比較し、比表面積が低いため高い使用量を要していた本触媒の欠点が改善された。また計画にないアンモニア雰囲気でのアニール処理を実施したが、本触媒の高い比表面積は維持された。概ね計画通りに進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度に得られた二つの知見を融合し、触媒表層における反応サイトの高密度化を進める。シリカを完全に除去する方法を、あわせて検討する。
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Remarks |
ACS Applied Energy Materials誌とPhysical Chemistry Chemical Physics誌に発表した論文は、それぞれ2018年12月31日と出版後6週間までの期間限定でオープンアクセスとなる予定です。
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[Book] Electrocatalysts for Low Temperature Fuel Cells: Fundamentals and Recent Trends2017
Author(s)
Claude Lamy, N. Rajalakshmi, R. Imran Jafri, K.S. Dhathathreyan, Ayan Mukherjee, Suddhasatwa Basu, Thandavarayan Maiyalagan, Subbiah Maheswari, Viswanathan S. Saji, Mitsuharu Chisaka, Chilan Ngo, Michael J. Dzara, Sarah Shulda, Radoslav R. Adzic et al.
Total Pages
588
Publisher
Wiley-VCH
ISBN
978-3-527-34132-0
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