Fundamental study on combustion characteristics of diffusion flame focusing on spatial-temporal fluctuation scale of turbulence.

2019 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K06181
• Research Institution: Iwate University
• Principal Investigator: 末永 陽介 岩手大学, 理工学部, 准教授 (60413720)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: 燃焼 / 拡散火炎

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，乱流拡散火炎の局所構造をモデル化した伸長円筒状拡散火炎を対象とした．酸化剤流速を正弦波振動させることによって，流れの非定常性をモデル化した．エンジンの排気再循環技術の高度化に貢献するため，排気ガスに含まれるCO2とN2を燃料と酸化剤の希釈剤とした．平成29年度にはN2を希釈剤とした研究を，平成30年，31年度にはCO2を希釈剤とした研究を行い次の知見を得た．(1)希釈剤の種類によらず，酸化剤流速の変動周波数の増加とともに，燃料流の速度勾配の変動振幅が増加し，火炎に流入する燃料の質量流束の変動振幅が増加する．そのため，燃焼反応と関係のある火炎輝度の変動振幅もまた，周波数の増加とともに大きくなる．(2)CO2希釈火炎は，低周波数域において既に，N2希釈火炎よりも火炎曲率の影響が顕著に現れ，火炎輝度の変動振幅もまた，N2希釈火炎よりも大きくなる．
従来の研究を概観すると，燃料流と酸化剤流を対向させて形成される対向流平面拡散火炎に関する研究が大部分であり，本研究のように伸長に加え，火炎曲率に着目した円筒状拡散火炎に関する研究は極わずかである．流れの非定常性が対向流平面拡散火炎の応答に及ぼす影響を調査した研究では，燃料流と酸化剤流の速度を同位相で正弦波的に変動させており，速度の変動周波数が増加するにつれて，反応速度，火炎温度，発熱速度の変動振幅は単調に減少することが示されている．しかし，本研究のように酸化剤流の速度のみを正弦波的に変化させた場合，周波数の増加に対して，火炎輝度（反応の活発さ∝反応速度）の変動振幅が，速度の変化域における定常火炎のそれよりも大きくなるといった興味深い燃焼現象が観察されている．さらに，火炎曲率の影響が希釈剤の種類によって異なることも示すことができたことは，学術的意義があり，エンジンを含む燃焼機器開発の観点からも意義ある知見であると考える．