2017 Fiscal Year Research-status Report
低温プラズマによる高含水バイオ燃料の革新的燃焼技術の構築
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17K06199
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田上 公俊 大分大学, 理工学部, 教授 (60284783)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低温プラズマ / 点火 / 燃焼 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球環境問題から各国でバイオ燃料の利用が推進されているが,現状では水分をほとんど含まない高純度(99%以上)なバイオ燃料の利用に限られているため,高純度化による高コスト化が特にアジア発展途上国でのバイオ燃料の普及の妨げとなっている.発展途上地域で容易かつ安価に製造できる水含有量50%程度の高含水バイオ燃料を発電に利用できれば,農産物から燃料製造,エネルギー利用まで完結した,いわゆる地産地消で利用できるシステムが提案可能となる.高含水バイオ燃料を燃焼器で利用する場合,特に点火と,燃焼の安定性が問題となる.本研究では,高含水バイオ燃料(水含有量50%)利用のために低温プラズマを用いた革新的点火・燃焼技術の構築を目的としている.本年度は定容燃焼器を用いて新たに開発した低温プラズマ用プラグでの点火実験を行った.まず低温プラズマと熱プラズマの点火特性を調べるために,副室を用いずに点火実験を行い,点火直後の火炎核形成の可視化画像から,画像解析により火炎面積の変化を算出し比較した.同時刻における火炎面積は熱プラズマ点火の方が低温プラズマ点火に比べ大きい.すなわち初期火炎の成長速度は熱プラズマ点火の方が速いことがわかった.しかしながらその差異は小さく,結論として,低温プラズマの点火特性は初期火炎核の形成は少し小さいものの,点火性能は熱プラズマと同程度であることがわかった.結果として論文2報,学会発表12件を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した定容燃焼器を用いた実験計画に関しては概ね達成した.また,前述のように,今年度は低温プラズマプラグを用いた研究により,論文や学会発表を行った.RCEMを用いた実験計画に関しては,装置セッティングが遅れたため,来年度以降の課題となった.
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Strategy for Future Research Activity |
RCEMで実験を行う.装置はほぼ完成しており,実験は来年度行える予定である.定容燃焼器を用いた実験では,新しい点火プラグの効果を試す実験を行う.このプラグは,低温プラズマの効果をより強めることができ,点火特性を改善できる可能性が高い.
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Causes of Carryover |
前述のようにRCEMのセッティングに遅れが生じ,研究費の残が生じた.RCEM自体は既存の装置であるが,低温プラズマプラグの設置はこれからである.このため,今年度全て完成させる計画である.同時に新しく開発したプラグの改善を行いたい
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