2018 Fiscal Year Research-status Report
低温プラズマによる高含水バイオ燃料の革新的燃焼技術の構築
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17K06199
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田上 公俊 大分大学, 理工学部, 教授 (60284783)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 燃焼 / 点火 / 低温プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高含水バイオ燃料利用のために低温プラズマを用いた革新的点火・燃焼技術の構築を目的としている. 本年度は,「副室式点火」を用いて希薄燃焼時の点火と燃焼促進の可能性を模索した.副室式点火は,主燃焼室とは別に小型の副室(主室の5 %以下程度)を設け,副室で燃焼させたガスをトーチ火炎として噴出させることで,主燃焼室内の希薄混合気を点火,燃焼させるという点火方式である.副室式点火燃焼においては,燃焼状態は副室からのトーチ火炎の噴出現象に依存するため,燃焼器の性能向上には副室点火燃焼の現象を把握する必要がある.そこで本研究では,副室を備える定容燃焼器を用いた可視化実験により,低温プラズマを用いた副室式点火燃焼の基礎燃焼特性について調べた. ここでは,低温プラズマを用いた副室式点火における,噴口数,噴口径,初期圧力,当量比の影響を調べるため可視化実験を行い主室内の燃焼の様子を観察した.さらに燃焼画像,圧力履歴を解析することにより,各条件における平均噴流速度,噴流強度,燃焼期間を算出し,熱プラズマとの比較を行った.その結果,低温プラズマは熱プラズマと同等の点火性能を有することがわかった. 結果として学会発表9件を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,申請書に記載した定容燃焼器を用いた実験計画を拡張して,副室式点火燃焼の可能性を探った.副室式点火は,主燃焼室とは別に小型の副室(主室の5 %以下程度)を設け,副室で燃焼させたガスをトーチ火炎として噴出させることで,主燃焼室内の希薄混合気を点火,燃焼させるという点火方式である.その結果,低温プラズマは熱プラズマと同等の点火性能を有することがわかり,さらなる高効率化の可能性がみえてきた.このことから,申請書の内容は概ね達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように低温プラズマを副室式点火燃焼と組み合わせることで,さらなる高効率な燃焼技術の確立が可能であることがわかった.今後はこの技術の確立のために副室式点火燃焼の現象解明を行っていく.具体的には昨年度同様の定容燃焼器での実験に加えて,申請書に記載したRCEMで実験を行う.装置はほぼ完成しており,実験は来年度行える予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は新たな高効率な燃焼技術である副室式点火燃焼の可能性を探るため定容燃焼器での実験を集中的におこなったため,研究費の残が生じた. 来年度はRCEMを用いた実験も合わせて行い,申請書の計画以上の成果を目指す.
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