2019 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical Verification and Practical Realization of Selective Diffsional Separation Technique
Project/Area Number |
17K06206
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
森下 明平 工学院大学, 工学部, 教授 (70599399)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シングルハルバッハ界磁 / 液相成分選択拡散装置 / 拡散分離部 / 細管群 / 協調制御 / 推力制御 / 位置制御 / 端効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
液相成分選択拡散装置の拡散分離部は注射器からなり装置両端に配置されるディスプレーサ,各ディスプレーサに接続される2つのアクリル製のリザーバ,内径0.2mm,長さ135mm の細管4000本からなる細管群,細管群を両端のリザーバに固定するためのバンドル部で構成される。細管にはステンレス製キャピラリーチューブ3700本と拡散状態の目視用にガラス製300本を使用した。昨年度は拡散分離部の水漏れ試験結果から、加圧側のリニアモータに推力制御を適用してわずかな水漏れ(微小な圧力損失)に対応するとともに、減圧側リザーバ内の溶液はディスプレーサからの空気侵入がなければ非圧縮性流体とみなせることから減圧側リニアモータには位置制御を適用する協調制御方式を開発した。 昨年度末から本年度当初にかけてリニアモータを用いた加圧試験を実施したところ,想定を上回るバンドル部からの水漏れが発生した。また,リザーバの上部にたまった空気の除去に困難が伴うことも判明した。最終年度は,漏れ対策として拡散分離部の細管群バンドル部の再製作,空気抜きが容易にできるリザーバの再設計・再製作を行うとともに,2台のリニアモータを拡散分離部両端のディスプレーサに結合するための支持台の設計・製作を行った。完成した支持台に2台のリニアモータを取り付け、昨年度開発した協調制御が動作することを確認した。最終年度末にはリニアモータを実際に運転し,細管部両端に所定の正弦波状の差圧が発生することを確認した。研究計画では溶質(メチレンブルー)の選択拡散分離が定量的に可能であることの実証を行うことになっていたが時間切れとなった。本研究助成は今年度で終了するが,今後,完成した液相成分選択拡散装置を用いて選択拡散分離実験を継続し,結果を広く社会に還元していく予定である。
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Research Products
(3 results)