2017 Fiscal Year Research-status Report
BDF Synthesis based on Environmentally Conscious Ultrasonic Irradiation Method and Discussion on NOx Reduction Technology
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17K06213
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
十朱 寧 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (60288404)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超音波BDF合成法 / 塩基性ゼオライト / 固体触媒 / 回分式 / 生成率 / 触媒被毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまでの研究成果をもとに,液体のアルカリ性触媒の代わりに,水洗を必要としない固体触媒である塩基性ゼオライトを用いる超音波BDF合成法の提案と検証を目的とするものである。研究では,まず,様々なゼオライトを用いて塩基性を向上させる調製及び活性の比較を検証した。続いて調製されたゼオライトを用いて回分式BDF合成を試みた。次に,ゼオライトを長期使用による触媒の被毒を調査した。最後に,SolidWorksを使って,量産化を目指す循環型超音波反応装置内の流れ解析を行い,流路の最適化を図って,循環型ゼオライト触媒超音波BDF合成システムの設計・試作した。一連の実験の結果、下記のような結論をえた。(1)Na原子の吸着量が最も多いのは(A5)で,一番少ないのはA4であることが分かった。また,調製の時に使われた水酸化ナトリウムの濃度が大きいほど調製後のナトリウム増加量が多い;(2)ゼオライトは濃度がPH14≧になるとゼオライト(A3,A4,F9)の表面破損することが分かる,ゼオライト(A5)の表面破損一番である。したがって,ゼオライト(A5)生成率が高くなると推測できる;(3)すべてのゼオライトにおいて,イオン交換に用いる水酸化ナトリウム水溶液濃度と時間の増加によって,ゼオライトの塩基点量は増加し,BDF 生成率も増加することが分かった,また,A3 <A4 <F9 < A5 の順でBDF生成率が向上することが確認できた;(4)6 molの水酸化ナトリウム水溶液で合成されたA5によるBDFの合成は最大約63%の生成率に達し,BDF 合成に最適であることを確認している;(5)ゼオライトを使えば使いほど、触媒被毒の現象が生じ、触媒としての性能が低下することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画していた研究内容(1)ゼオライト触媒の設計・調製・触媒特性調査;(2)BDF合成実験の実施;(3)触媒被毒の調査について概ね完了し。現在反応メカニズムを分析しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度では、流通型ゼオライト触媒合成システムの設計、BDF量産化試験の実施、合成したBDF物性値の測定およびBDF参加安定度および流動点の改善について実施していく予定である。一方、BDF合成率が63%に達したが、目標値の90%にまだ至っていない。理由として、現有の反応器の電力は100Wで、これにより生じた反応温度が若干低いため、BDF合成反応は完全に進んでいないと考えられる。昨年度の年度末に、量産化するための強力超音波合成装置(600W)を導入済み。この装置を用いれば、反応温度の上昇が予測され、BDF合成率の向上が期待できる。さらに、Solidworksによる流通型超音波BDF合成システムの流れ解析モデルを構築した。これらの知見をもとに、流通型ゼオライト触媒合成システムの設計に役に立つと思われる。
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Causes of Carryover |
最初見積もった金額より、実際に導入した強力超音波合成システムでかかった金額は安くなった。また、論文投稿の時期が遅れていた。そのため、次年度の使用額が生じた。今年度、流通型超音波合成システムの構築や投稿にこれらの費用を当てる予定。
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