2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of measurement methods for thermal conductivity and thermal diffusivity of protein crystals
Project/Area Number |
17K06215
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
藤原 誠之 明石工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90335985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 誠一 明石工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00599251)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱伝導率 / 熱拡散率 / リゾチウム / 磁気アルキメデス効果 / 二液法 / 塩析 / 非定常短細線加熱法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は超電導磁石を用いた磁気浮揚実験装置を製作し,浮揚状態での卵白リゾチウム(HEWL)結晶の熱伝導率および熱拡散率の測定に成功した.その際には磁場による測定プローブの破損を避けるため,タングステンでプローブを作成した.さらに,測定プローブの材質を白金に変更し,磁気浮揚実験を行った.その結果,白金を用いた方がプローブを取り扱い易く,耐振動性等も優れていることがわかった.2018年度は二液法による測定容器を作成した.二液界面の高さを調整できる構造となっている.しかし,二液法では容器壁面に付着して成長する結晶が多いことがわかった.そこで,容器壁へ撥水薬を塗布した場合とテフロンシートを張り付けた場合についても結晶育成を行ったが,いずれも効果は見られなかった.このことから,磁気浮揚による実験ではわずかながら容器中心に向かう磁気力が結晶に作用し,この磁気力が結晶を壁面に付着させることを阻止する重要な役割をしていることがわかった.2018年度から使用し始めたHEWL試料の結晶化条件が,それまで使用していた試料と異なることがわかった.また,それまでは結晶化の塩析に使用する塩として塩化ガドリニウムを用いていた.しかし,更に人体に影響を与えないものとして,塩化ナトリウムによる結晶育成の最適化条件を探索した.本研究で実施した範囲では結晶が白濁し,きれいな結晶を育成することができなかった.2019年度は二液法により育成した結晶と容器底部に育成した結晶に関し測定を実施した.さらに,2018年度以降に使用したHEWL試料での結晶化条件の変化を調べるためにカラムクロマトグラフィーを実施し,更に試料の精製を試みた.しかし,結晶成長に変化を見出すことができなかった.以上の結果より,タンパク質結晶の熱物性値測定技術を開発し,磁気浮揚を用いた方法が現段階では優れていることがわかった.
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Research Products
(1 results)