2018 Fiscal Year Research-status Report
走行安定性と曲線通過性能を両立する傾斜軸自己操舵台車の車両編成解析
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17K06221
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
道辻 洋平 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90376856)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 鉄道車両 / 操舵台車 / 曲線通過性能 / 独立回転車輪 / マルチボディダイナミクス / 走行実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで提案してきた,独立回転車輪を有する操舵台車の実現可能性を検討するため,車両運動シミュレーションと1/10スケールモデル走行実験装置を活用した走行性能評価を実施する. 当該年度においては,1/10スケールの傾斜軸独立回転車輪を有する自己操舵台車(傾斜軸EEF台車)を設計・製作し,急曲線走行実験を実施した.走行実験では,半径1.5mの急曲線(実車換算で曲線半径15m)をスケールモデル車両が走行し,その時に発生する車輪・レールのアタック角を計測する.提案する傾斜軸EEF台車において,アッカーマンジオメトリを導入することで急曲線走行中のアタック角を低減でき,車輪のフランジ・踏面の極端な2点接触を回避できるため,車輪・レールの摩耗において優位であることを実験によって示した.また,曲線通過時の走行抵抗も大幅に低減できる.実験では,操舵系のヨーダンパの減衰係数が,曲線通過性能に及ぼす影響も明らかにした.これら研究成果は鉄道技術に関する国際会議Railways2018において発表をおこなった.また国内の学術講演会として日本機械学会交通・物流部門大会において発表し,優秀ポスター発表賞を受賞するなど,研究成果に対して一定の評価を得ることができた.これまでの研究により急曲線を低速で走行する場合の高い性能が示されたが,今後は比較的高速走行する場合の,軌道変位に対する振動特性の解明に着手する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
提案する台車構造を有する走行実験装置の設計・製作が完了し,当初の予定通り走行実験を行うことができた.得られた実験結果は,これまでの数値シミュレーション結果と同様に,提案する傾斜軸EEF台車が当初期待していた通りの曲線通過性能を有していることを確認した.得られた研究成果については,鉄道を専門とする国際会議や国内講演会において成果発表し,良好な評価を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法に関しては,当初の年度ごとの予定通りに研究を推進していく.具体的には,傾斜軸EEF台車の実験装置を活用し,車輪踏面形状を変化させた場合など,設計パラメータが走行性能の改善にどう関与するかを明らかにする.また,軌条輪装置を活用し走行安定性についても確認をおこなう.
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Causes of Carryover |
購入物品が多数の機械部品であるため,当初使用を予定していた額とはわずかに異なった.今後の使用計画としては,スケールモデル実験装置の部品,計測センサーの冶具類の購入費用に充てる.
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Research Products
(3 results)