2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a maglev blood pump for a total artificial heart which can assist or replace both hearts with a single rotor
Project/Area Number |
17K06223
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
栗田 伸幸 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (60435493)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 磁気浮上モータ / アキシャルギャップモータ / 血液ポンプ / 人工心臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では,研究期間内にダブルステータ型アキシャル磁気浮上モータの開発と,開発したモータを用いた遠心型血液ポンプの開発を 目的としている。特に平成29年度は,ダブルステータ型アキシャル磁気浮上モータの開発と高性能化を磁気浮上モータのロータ・ステータ・永久磁石などの形状を最適化し,有限要素法磁場解析により各部の寸法を詳細に検討・設計し,実験装置を製作した。そして,空気中における磁気浮上回転制御を行い,約40000 r/minまでの安定した駆動を確認した。さらに,開発した磁気浮上モータをベースに,ロータの上下に設置する左心用・右心用のインペラとインレット・アウトレットを含むケーシング全体の設計と製作を行った。そして,3Dプリンタによりインペラとケーシングを製作し,それらに磁気浮上モータに組み込みむことで,小型ポンプを製作した。そして,流水実験を行い,最大流量 8.3 L/min,最大揚程 170 mmHgを得た。また,揚程 100 mmHgのとき,流量 4.0 L/min (回転数1800 r/min)を得た。これにより,製作した磁気浮上ポンプが両心室を補助可能な性能を有するこ とを明らかにした。しかしながら,モータの駆動に要する消費電力が非常に大きくなるという問題があった。これは,ダブルステータ型磁気浮上モータのモータの設計が最適化されていないことと,インペラ形状が最適化されていないことが主な原因と考えられる。平成30年度はモータ形状の最適化に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ダブルステータ型磁気浮上モータを製作し,性能確認を行った。また,開発したダブルステータ型磁気浮上モータを組み込んだ小型ポンプを製作した。いずれも回転数やポンプ性能の観点からは目標値を達成することができたが,モータ駆動用の消費電力が大きく,体内埋込み型人工心臓への応用は難しい。消費電力が大きくなった主な理由はダブルステータ型磁気浮上モータのモータの設計が最適化されていないことと,インペラ形状が最適化されていないことであると考えられる。当初の予定では,実験装置の試作機1号機を製作し,実験装置の問題点をフィードバックした試作機2号機を製作し,高性能化を行う予定であったが,試作機1号機の製作に当初の予定よりも多くの時間を要したため,高性能な試作機2号機の製作には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の前半に有限要素法磁場解析や数値流体力学を行い,モータ形状とインペラ形状を最適化する。そして,モータ性能やポンプ性能を維持しつつ,モータ駆動にかかる消費電力をできるだけ低減することができる試作機2号機を製作する。そして,試作機2号機の性能評価を実施する。さらに,制御器についてもゼロパワー制御を設計・実装し,磁気浮上制御にかかる消費電力の低減を目指す。モータの設計やインペラの設計については,連携研究者や研究協力者の協力を得て,特に時間がかかる解析作業を変更して行うなどの工夫をする。
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Causes of Carryover |
平成29年度は学生アルバイトを雇用した実験補助・データ整理を実施しなかったために次年度使用額が生じた。平成30年度は実験回数が増えることが予想されるため,学生を雇用し,実験補助・データ整理を担当してもらう予定であるため,人件費・謝金を使用する。
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Research Products
(7 results)