2017 Fiscal Year Research-status Report
オペレータ法、適応手法と機械学習を組み合わせた故障早期検出と早期耐故障制御
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17K06225
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
とう 明聡 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20295124)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オペレータ法 / 適応手法 / 機械学習法 / 早期故障検出 / 早期耐故障制御 / 非線形制御 / プラント実験装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は以下の研究実績を得た。(1)機械学習法に組み込むオペレータ法、適応手法として、早期故障検出法を提案した。さらに数値シミュレーションで提案法の有効性を検証した。(2)オペレータ法では、事前情報であるプラント情報として、プラントの構造、パラメータのノミナル値を必要としており、これらの情報を機械学習法で求める手法を新たに考案した。また、取り込む観測値の選択方法についても検討した。(3)機械学習法の欠点である過学習を避けるため、早期故障検知の観点からSVM法を用い、機械学習において学習データに対する感度を決定するクラス分類の決定法を検討した。学習させるデータは現時刻の入力, 出力, 1ステップ前の出力, 2ステップ前の出力の4種である. 出力に関して複数時刻の出力を用いて学習させることにより, 故障の誤検知を少なくすることができた。(4)オペレータ法のロバスト制御系設計法を用いた耐故障制御法に、早期故障検出を適用するため、耐故障制御系に有効とされるロバスト制御系構成法を与え、故障の早期に対応する早期耐故障制御法を考案した。(5)プラント実験装置による実験的検討では、水位系の動作を観測雑音の範囲内の微小に変動させ、その場合でのモデルを分数次元で求め、実験で検証した。実験装置を増設し、次年度以降に実施する実験の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度において、当初に提出した研究計画に沿って研究を進めてきた。研究目的の研究課題1から研究課題5に取り組んで、比較的満足できる結果が得られた。特に研究課題1で機械学習法に組み込むオペレータ法、適応手法として、早期故障検出法を提案した。また、研究課題5で分数次元のモデルも得られた。 研究成果を論文誌論文10編、国際会議論文8編、国内講演会9編にまとめ、発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に提出した研究計画に沿って、研究課題1において引き続き理論的検討を行い、数値シミュレーションを行う。研究課題2において、非線形プラントについて推定する方法を再考案する。プラントパラメータを機械学習法のSupport Vector Regression(SVR)によって推定する方法にいて検討し、形状係数推定値の変動を故障検出に用いる手法を検討する。 研究課題3において機械学習法の改良では、多変数系、非線形系の場合の(1)形状係数の推定 (2) クラス分類の決定法について再検討する。課題4において早期耐故障制御法の考案では、多変数系、非線形系の場合の(1) 微小故障信号の場合についての耐故障制御法の検討、および、(2)数値シミュレーションによる検証を行う。研究課題5において引き続き、多出力系の故障検出を行う。実験結果から、さらに必要となる手法の拡張、適用範囲の拡大について、課題1~4の研究に反映させる。
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