2017 Fiscal Year Research-status Report
A real-time measurement system of fluid power
Project/Area Number |
17K06226
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
眞田 一志 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30187265)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 流体計測 / 流体動力 / リアルタイム計測 / カルマンフィルタ / 管内流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,配管によって伝達される流体動力をリアルタイムで計測するシステムを開発する.流体動力は流量と圧力の積であるが,本手法は流れの抵抗となる流量センサを用いずに,圧力センサだけを用いることが特徴である.管内における流れの数学モデルをもとにしたカルマンフィルタ理論によって流量を推定し,圧力センサ信号との積を計算することで流体動力をリアルタイムで計測することを目指している. 平成29年度は,研究計画に従って,1)流体動力リアルタイム計測システムの製作,および2)流体動力リアルタイム演算アルゴリズムの実装を,おおむね計画通り実施した.1)については,具体的には,計測に利用する圧力センサの動ひずみ増幅器を選定して購入し,計測管路の内径と計測区間長を決定して部品を機械加工し,実験装置を製作した.2)については,代表者の研究室で所有している高速デジタル演算装置を用いて,カルマンフィルタのリアルタイム演算を実行するプログラムを制作し,実際にカルマンフィルタをリアルタイムで実行した.本年度の研究によって,提案するカルマンフィルタによる流体動力の計測がリアルタイムで可能であることを,実験により明らかにすることができた.さらに,リアルタイム演算に必要な演算時間を計測し,条件によっては,計算モデルをより簡略にして,計算負荷を軽減する必要があることが明らかなった.これらの研究成果を,査読付ジャーナル論文として公表した.また,海外・国内の講演会にて講演発表した. 平成30年度は,計算負荷を軽減するため,管内における流れの数学モデルについて工夫を加えることを計画している.また,実験装置を改良し,モニタ用の圧力センサを追加し,実際の油圧機器を対象として流体動力のリアルタイム計測を試み,本手法の推定精度を明らかにする.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は,研究計画に従って,1)流体動力リアルタイム計測システムの製作,および2)流体動力リアルタイム演算アルゴリズムの実装を,おおむね計画通り実施した.1)については,具体的には,計測に利用する圧力センサと動ひずみ増幅器を選定して購入し,計測管路の内径と計測区間長を決定して部品を機械加工し,実験装置を製作した.2)については,代表者の研究室で所有している高速デジタル演算装置を用いて,カルマンフィルタのリアルタイム演算を実行するプログラムを制作し,実際にカルマンフィルタをリアルタイムで実行可能であることを明らかにした.さらに,リアルタイム演算に必要な演算時間を計測し,高精度な計測が求められる場合には,計算モデルをより簡略にして,計算負荷を軽減する必要があることを明らかにした.これらの研究成果を,査読付ジャーナル論文として公表した.また,海外・国内の講演会にて講演発表した.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,当初の計画通り,計算負荷を軽減するため,管内における流れの数学モデルについて工夫を加えることを計画している.管路内の流れのモデルを簡易なモデルにすることによって,リアルタイム計測が可能となる条件の範囲が広がると予想されるので,この点を明らかにしたい.具体的には,管路内の流れのモデルとして集中定数系を利用することで,計算負荷が低減され,リアルタイム演算が可能となる条件が広がると予想される.一方,過渡的に変化する流体動力を計測するためには,最適化有限要素モデルを利用するが,分割数や非定常層流圧力損失の近似項数を調整してリアルタイム演算を可能にする方法や,モデル自体を低次元化するなどの手法について研究する. また,平成29年度に製作した実験装置を改良し,モニタ用の圧力センサを追加する.また,代表者の研究室に所有している既存の油圧機器等を対象として,流体動力のリアルタイム計測を行い,本手法の推定精度について確認する予定である.
|
Causes of Carryover |
主として,物品費と旅費の削減による.物品費については,主要な物品の購入費が主な支出であった.旅費については,国際会議の講演発表が早期に受理されたため,外国旅費が節約できたことによる.次年度使用額は,翌年分の助成金と合わせて,実験装置の改良および外国旅費に充てる.具体的には,油圧機器の流体動力を計測するように計測配管の改良を行うための機械部品を購入する費用に充てる.また,平成30年度に発表を申し込んでいる国際会議の旅費に充てる.
|