2018 Fiscal Year Research-status Report
A real-time measurement system of fluid power
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17K06226
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
眞田 一志 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30187265)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 流量計測 / カルマンフィルタ / 層流流量計 |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーションによって、管路モデルの演算時間の調査を行った。集中定数系モデルおよび定常層流用モデルを用いた計測モデルは十分短い値が得られた。その一方、非定常層流用モデルを用いた場合は、計算量が多いという課題があることがわかった。実際の計測においては,油圧ポンプの脈動流量などによる変化も計測することを想定すると0.1msのサンプリングタイムで計測することを目標とする。集中定数系モデルおよび定常層流用モデルを使用した計測モデルの演算時間は、この目標サンプリングタイムより十分短いと言える。しかし、非定常層流用モデルを用いたものは分割数によっては十分短い演算時間とは言えず、また分割数N=9,10の場合は実行がそもそもできないなど、計測モデルの軽量化が必要であることがわかった。特に非定常圧力損失近似項の影響は大きいと考えられ、その部分を中心に計算量の見直しが必要である. 定常カルマンフィルタを用いた管内流れの把握手法を応用した層流流量計システムを提案した。本研究では、計測システム装置を実際に製作し、層流における細管流量と全体流量の関係式を求めた。今回製作した実験装置は、最大3L/min程度の全体流量を測定することを想定し、細管内の流れが層流となるように細管内径1mm,細管本数32本とした。上流側から30mmの管径で流れてきた流れを32本の細管で分割したもののうち、一番下側の細管をカルマンフィルタによる流量測定の対象とした。各圧力センサの配置は、上流点・中間点の間隔が330mm、中間点・下流点の間隔が470mmとした。校正用流量計として、コリオリ流量計を使用した。定常流における関係式を導出し、結果として,細管流量と全体流量の関係を確認した。定常流においては層流流量計システムとして機能させることが可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の平成30年度の計画では、リアルタイム演算の高速化の研究を行なう計画であり、管路の分割数と非定常層流圧力損失の近似項数の2点について、使用する管路モデルによる計算時間を定量的に明らかにすることができ、講演発表を行なった。さらに、32本の細管を束ねた層流流量計に本研究課題で提案するカルマンフィルタによる流量計測法を適用することで、流量測定範囲を拡張する方法を考案し、講演発表を行なった。以上から、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に考案した層流流量計にカルマンフィルタを適用して流量を計測する手法をもとに、非定常流量が計測できること、ならびに非定常の流体動力が計測できることを、実験的に明らかにする。得られた成果は、論文発表により、公表する予定である。
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Causes of Carryover |
カルマンフィルタを利用した層流流量計を新たに考案し、その製作および校正実験のための物品費が追加で必要になった。また、研究成果を学術論文として発表する際の新規性を確保するために、国際会議への投稿を控えたこともあり、旅費を削減し、年度予算に収まるようにした。次年度使用額は、実験装置の改良費および学会発表費に充てる。
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