2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of visual assist control to realize safety driving in super-aged society
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17K06231
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松永 信智 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10363508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 寛 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40452883)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 福祉車両 / アシスト / 第三者視点 / 拡張現実感 / 操縦スキル / 仮想隊列制御 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会では,支援の必要な高齢者でも自力で福祉車両の運転ができるようになれば,活動範囲が拡大されQOL(生活の質)は大幅に向上する.福祉車両は高齢者でも広所では操縦はできるものの,周辺認知能力の低下に伴い,狭所では壁への衝突や方向転換で身動きがとれないなどの問題が起こる.新たに使い始めた福祉車両の操作習熟も高齢者は困難になる傾向もあり,操作機能と認知機能を同時に補償する安全なアシスト手法が求められる.高齢者の福祉車両の運転支援は,(A)自動運転と(B)操縦アシストの2つのアプローチがある.ここでは,運転の認知系や判断系を同時に支援する(B)の研究を行うとともに,有効な福祉車両の自動運転について検討をする. 本研究課題では,拡張現実感(Augmented Reality:AR)を用いて高齢者を含むシステム全体の操縦性能を向上するアシスト制御系を構築し,高齢者の自立に向けた福祉車両の運転支援システムの効果分析を行う. 提案するアシスト制御系は,ARを使って仮想世界と現実世界の車両を隊列する新しい操縦法である. まず,平成29年度はHoloLensを使って車両の動きを可視化し,その先行仮想車両に対して現実の車両との間に仮想隊列を構成した.操縦者はHoloLens上に投影された仮想車両を操作し,その操作により,仮想隊列に連なる搭乗車両を間接的に運転する.Unityを使って仮想車両をデザインし,ドライバの頭部姿勢を反映した仮想車両システムとモデル誤差補償系を使ったロバストな車両制御システムを実装した.次に福祉車両STAViを使ったビジュアルアシスト制御系のプロトタイプを設計し,このプロトタイプを使って様々な実験を行い操縦の容易性や走行精度など操縦性の評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度はHoloLensを使って車両の動きを可視化し,その先行仮想車両に対して現実の車両との間に仮想隊列を構成した.操縦者はHoloLens上に投影された仮想車両を操作し,その操作により,仮想隊列に連なる搭乗車両を間接的にかつ安全に運転する.Unityを使って仮想車両をデザインし,ドライバの頭部姿勢を反映したリアリティの高い仮想車両システムと,モデル誤差補償系を使ったロバストな車両制御システムを実装した.このシステムを福祉車両STAViに実装し,ビジュアルアシスト制御系のプロトタイプを設計した.このプロトタイプを使って実験を行い,操縦の容易性や走行精度など操縦性の評価を行った.また,HoloLensを使った自動運転の開発も先行して行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
スキルが未熟なうちは認知・操作の関係が固定化されていないが,『慣れ』により操作系が形づくられ安定した操作ができると考えられている。しかし,高齢者の場合は長期間操縦が安定しないという報告もある. 平成30年度は,予定通り注視点情報を用いたスキル習熟の分析を行う予定である.健常者による予備実験では失敗を繰り返し学習するより,ARを使って仮想先行車両を操作する方が運転は容易であり,学習も早く進む傾向があることがわかった.しかし,健常者の『慣れ』は想像以上に早く,十分な実験例が得られない.そこで,高齢者での実験の前に高齢者体験キットを使った評価を行う予定である.
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通り当該助成金を使用した.次年度は,走行評価のための部品・装置を購入予定である.また,国内外の学会で発表,投稿して研究成果を発表予定である.
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