2018 Fiscal Year Research-status Report
剛体円環モデルを用いたラグ起振力同定手法の確立と農耕車両振動の現象解明
Project/Area Number |
17K06244
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 活秀 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (50390498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 俊 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (10162207)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 解析・評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
フラットベルト試験機(名古屋大学未来社会創造機構の共用機器)を用いたトラクタ用ラグ付きタイヤでの走行実験が実施できなかった為,小野測器製のタイヤ転がり抵抗試験システムを用いた走行実験を模索したが,1回の走行実験だけで約100万円が必要ということで,実機用タイヤでの走行実験は不可能という結論に至り,ラグ起振力同定手法が実機用タイヤについても適用できるかの検証については断念した. そこで,小径ラグ付きタイヤでの転動実験により計測された軸力の特性と,転動実験の計測結果から3次元剛体円環モデルを用いて同定されたラグ起振力の特性について調査し,これらの特性とタイヤの振動特性との相関について調べた. 軸力とラグ起振力の特性として,軸力とラグ起振力のスペクトルマップから共振的な現象が発生している回転数での支配的な周波数を共振周波数として調べた結果,軸力とラグ起振力の共振周波数は良く一致しており,前後力については3つ(40Hz,53Hz,69Hz),横力については2つ(31Hz,73Hz),上下力については1つ(65Hz)が確認できた. 次に,これらの共振周波数と加振実験で得られたタイヤの振動特性(固有振動数及び固有振動モード)との相関を調べた結果,タイヤの固有振動数が軸力及びラグ起振力の共振周波数に対応しており,更に共振が確認された力の方向とそれに対応する固有振動モードの振動する方向が全ての場合において一致していることが確認できた.これらのことから,共振的な現象はラグの起振周波数がタイヤの固有振動数と一致したとき,その固有振動数に対応する固有振動モードの方向の力が励起される現象であることが判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実機用タイヤでの走行実験は予算的に不可能という結論に至り,当初予定していたラグ起振力同定手法が実機用タイヤについても適用できるかの検証については断念した. そこで研究計画を変更し,小径ラグ付きタイヤでの転動実験で同定されたラグ起振力と軸力の特性を調査し,比較検討することにより,本同定手法の妥当性について検証することにした.
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Strategy for Future Research Activity |
軸力とラグ起振力の共振周波数は良く一致していることが確認できたが,スペクトルマップを比較してみると,軸力とラグ起振力でスペクトルマップの振幅が異なっていることが確認できた.これは,ラグ起振力がタイヤサイドウォールを介して軸力に伝わっていることを考えると,ラグ起振力を入力とし軸力を出力とした伝達特性が影響していることが考えられる. 入力であるラグ起振力と出力である軸力の伝達特性を調べ,伝達特性とタイヤの振動特性について比較検討を実施する.
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Research Products
(3 results)