2018 Fiscal Year Research-status Report
Discrimination of ill-conditioned satellites in GNSS positioning
Project/Area Number |
17K06248
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坪内 孝司 筑波大学, システム情報系, 教授 (80192649)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 央 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50531985)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | GNSS / パーティクルフィルタ / 自己位置推定 / GPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は一般にGNSSと呼ばれる衛星測位技術に関する.地上の測位受信機と測位衛星の時計に同期がとられ,測位衛星の現在位置(軌道要素)が同衛星から放送されているため,衛星から時刻のタイムスタンプをつけた電波が受信機に到達する時間を測ることで衛星と受信機の距離が求まる.複数の衛星にこれを行うことができるので,衛星の位置からその距離の同心球を描くとその交点が受信機の位置となる.しかし,受信機に測位衛星からの電波が直接届かず(不可視),地物との反射で受信機に届くと,この距離に行路差分の誤差が生じるために測位誤差が生じる. 測位計算の際,不可視な衛星からの受信データを用いないことで測位精度が上がることが期待できる.例えば,受信機のアンテナのそばに天球を観察する魚眼カメラを置き,受信機で得られた衛星位置をカメラからとられた魚眼カメラ画像に重ねることで,その衛星が可視か不可視化を弁別することはこれまで行われていた.本研究は,このような受信機外に置いたセンサを使わずに受信信号による情報からのみで不可視な衛星からの受信データを検出し,このデータを用いないことで測位精度を向上させる試みである. 受信した衛星の数をN個とするとき,そのN個の中に不可視な衛星が含まれる場合,その不可視な衛星がm個あるとすると,N個からN-m個を取り出した組み合わせのうちには不可視な衛星が含まれない組み合わせがあり,それらは精度の高い測位値を生むと考えられる.また,Nに比べてmが少なければ,多数のN-m個を取り出した測位値は,精度高く似たような場所に分布することが期待される.第2年度は,このことを検証するために,m=1と仮定し,学内のいくつかの場所で,この考え方に基づく実験を実施した.実験結果は現在考察中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の最後に記した部分の実装を行うのに,GNSSの測位計算を行うためのオープンソースソフトウェアであるRTK-libを改造して行うこととしたが,その必要部分の実装に,かなりの時間を要してしまったため,2018年度末にようやく実験結果が出始め,その検討ができるようになった.現在得られている実験結果から,測位をする場所によって,期待通りの結果を出す場所と,そうでない場所とがあり,その理由がソフトウェアに起因するものか,本研究に置いた仮説が成立しない場合があるのかを現在調査している.不可視衛星の弁別が我々の考え方で可能であるのかどうか,まだ判断ができないため,(3)やや遅れている,の判断とした.
|
Strategy for Future Research Activity |
測位実験を行う場所を,学内において増やし,さらに実験例も増やして現在行える検討を精査する.また,2019年3月に開催されたロボティクスシンポジアにおいて,早稲田大学の鈴木らが発表した内容は,ほぼ同時期に同様な成果をねらった研究となっていた.やや先を越された印象を与え,我々より良い成果を出している印象を持った.鈴木らの発表内容も精査し,我々のアプローチとの差異や利点難点を比較検討し,残る1年の研究成果を出す方向で推進する.
|