2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an object contact adaptation method for multi-joint robots by reducing control variables
Project/Area Number |
17K06256
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
関本 昌紘 富山大学, 学術研究部工学系, 講師 (40454516)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マニピュレーション / 接触作業 / 適応 / 作業座標制御 / 冗長自由度 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボットアームによるバルブ開閉作業では,ねじピッチの不確かさによる制御目標値と実際の送り量の不一致が,ロボットに過度の駆動力を生じさせる.本研究は,このような接触操作時の位置誤差制御問題に対し,制御目標値の一部を削減し,零空間内のアーム姿勢(冗長自由度)の動的遷移を用いた解決法の確立を目的とする.本年度の研究実績を以下に示す. 1.逆可動性の高いロボットアームは,本研究で着目する接触順応を効果的に得ることに貢献しうるが,意図しない冗長姿勢の動作(自己運動)を招く恐れがある.動作の安定性解析では,動作中に取りうる姿勢の把握が重要になる.研究代表者等は,先行研究の冗長自由度リーチングの運動解析において,動力学的な意味での冗長姿勢間の違いを,運動エネルギー(慣性行列)に関係する計量を導入したリーマン多様体上の2点間の最短距離(リーマン距離)により捉え,安定性解析に用いた.しかし,ホロノミック拘束を伴うバルブ開閉動作にこの手法を応用できるかは,未検討であった.今年度,ホロノミック拘束を満たす部分リーマン多様体上の2点間の最短曲線を変分法により解析した.最短曲線の必要条件から,拘束時のリーマン距離は,非拘束時と同様に運動エネルギーとの関係性を保ち,バルブ開閉動作におけるロボットアームの冗長姿勢の範囲解析に導入できることを明らかにした. 2.上記の成果を踏まえ,手先が拘束される7軸ロボットアームのバルブ開閉動作において,取りうる冗長姿勢をリーマン距離により定量評価した.動作中のある姿勢に着目し,冗長変数の変更により姿勢を変えてリーマン距離をそれぞれ算出した.リーマン距離により,冗長姿勢の許容範囲を評価できることを確認した.この評価法による逆可動性の高いロボットアームのバルブ開閉動作の安定性解析,解析結果の条件に基づく実機検証は時間の制約から実施できなかったが,引き続き推進する.
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