2018 Fiscal Year Research-status Report
インピーダンス制御を導入した先進運転支援システムのドライバ受容性向上に関する研究
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17K06262
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
早川 聡一郎 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50288552)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人間機械システム / ヒューマンマシンインターフェイス / 運転支援システム / インピーダンス制御 / 減衰比 / HMI / 提示情報量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はドライバ受容性の高い自動車の介入支援システムの実現を目的としている。本年度は各種の運転支援用HMIデバイスを構築しドライビングシミュレータに搭載する改修作業を実施する。そして、搭載した各種HMIデバイスに対して、提示情報量という新しい評価指標を導入し、適切な支援情報を提示しつつドライバ受容性向上に効果があるHMIの検討を行った。 まず、支援開始1秒前に効果音により支援予告を行う音声提示HMIデバイスにより実験を行った。その結果、受容性が最大となる減衰比が変化することはなかったが、導入前と同様の減衰比においてドライバ受容性の向上が確認できた。この予備実験より、支援開始前に支援予告を行うことはドライバの受容性向上に寄与することが確認できた。 次に、支援予告のため提示する情報として、アイコン表示、文字表示、音声発声の三つの情報提示手段を全て同時に提示することにより、介入支援時にドライバがどの提示情報を重視するかの検証実験を行った。提示情報量として、文字は一度に表示する文字数を、音声は発声時間を提示情報量として定義した。また、提示される情報について、システムがこれから支援を行うことを表示するか、ドライバが支援に従って行うべき操作を表示するかどちらの情報がドライバにとって望ましいかの確認も実験項目に盛り込んだ。 実験の結果、三種類の提示情報で重視される情報は被験者毎に異なる結果となり、個人毎に好む提示情報に差異があることが確認された。また、提示される支援情報はドライバが行うべき操作を提示する方が良いという結果が得られた。さらに、提示情報量について検討した結果、文字表示であれば文字提示量は8文字程度、音声発声であれば発声時間は1秒程度かつ1秒あたりの発生文字数は6.5文字程度となり、さらに簡潔な二つの単語で構成される、意味が明快な情報提示が求められるという結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年の研究計画では、各種の情報提示手法をドライビングシミュレータにて再現するため、ドライビングシミュレータへ視覚・聴覚支援用のHMIデバイスの搭載を行う改修作業を実施し、さらに、それらHMIデバイスを用いた支援情報提示の有効性についてドライビングシミュレータを使用した走行実験により検証し、提案する介入支援手法との組み合わせを検討することを目的としていた。 ドライビングシミュレータには液晶タブレットなどを使用しての視覚支援装置を搭載すると共に、聴覚支援装置として新たなスピーカなどを搭載し予定通り改修作業は完了した。 当初の改修作業が完了したドライビングシミュレータを用いて、支援タイミングに関する実験を行い、HMIデバイスを用いた事前予告によりドライバ受容性が改善することを確認した。また、文字表示と音声提示に対する提示情報量について定義を行い、実験によりどの程度の提示情報量が妥当であるかの指標を得た。このように、次年度に提案支援デバイスと各種情報提示HMIの統合実験を行うための準備がほぼ完了した。しかし、アイコン、文字、音声の三種類の情報提示のうち、どの情報提示手法がドライバ受容性を向上させるかについては、評価がばらついたため結論を出すことができなった。しかし、これは次年度の総合実験でも引き続き評価を実施していく予定であったので問題にはならない。 こうしたことから、本年度の研究は、当初予定していた事項についてほぼ完了しており、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究の結果、情報提示HMIデバイスの追加の必要性を感じたので、引き続きドライビングシミュレータの改修作業を実施し、最終年度となる次年度の総合実験で使用できるようにする。また、昨年度に確立したインピーダンス制御を用いた運転支援システムと本年度に実施した情報提示HMIデバイスの両者の研究成果を活用し、これからを統合したドライバ受容性向上を達成できる介入支援システムを構築する。そして、当初の予定通りに総合的な評価検証実験を行い、本年度の研究で結論が出なかった、ドライバにとって最適な情報提示HMIデバイスを模索する。最終的に決定されたHMIデバイスの組み合わせを用いて最終的な受容性評価実験を行い、研究目的であるドライバ受容性の向上する介入支援システムを確立させる予定である。
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Research Products
(4 results)