2017 Fiscal Year Research-status Report
次世代エネルギー社会のための低温液体中で動作する小型推進マシン
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17K06267
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
二村 宗男 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (80404854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 明 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50211941)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小型遊泳マシン / 液体窒素 / ジェット推進 / 電磁振動子 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後の社会において普及が考えられる新エネルギー媒体としての液体水素および様々な超伝導応用機器に対応するため,低温液体中で遊泳推進可能な小型マシンの構造を検討した.液体窒素中の小型遊泳マシンとして,液体窒素を気化して噴出するジェット推進方式と,電磁力を用いた振動推進方式の2タイプについて試作し,その特性を調べることで応用の可能性を検討した. ジェット推進方式は,FDM-3Dプリンタで製作したボディ内部にニクロム線を内包しており,液体窒素の気化ガスを噴射する反力によって推進する.噴射口径の違いによる推進力の計算から,効率的な推進速度を得るために噴射口径の最適値の存在が確認された.試作した噴射口径の異なる実験においても推進速度にピークが現れることを確認し,最大速度230 mm/sの推進を得た.電磁力を用いた振動推進方式は,コイルと永久磁石から成る電磁振動子を低温流体中で動作可能なアクチュエータとして用い,振動によって推進する機構とした.コイルの発生する磁場の解析から磁石に作用する磁気力(駆動力)を計算し,振動子の最適形状を設計して推進マシンを試作した.10秒以上の連続動作で平均 3 mm/sの推進を得た.液体窒素中で振動を利用した連続推進が可能なことを確認した. 以上の成果から,ジェット推進方式は,瞬発的な1回限りの推進が可能であり推進速度と効率は高い,一方,電磁力振動推進方式では連続推進は可能であるが推進速度および推進効率が低いことが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度研究実施計画に記載した内容は,「低温流体中を推進する小型マシンの製作(一次試作)」および「製作したマシンの基礎的な特性の評価」であり,おおむね順調に遂行できている. 液体窒素中を推進する小型マシンについてジェット推進方式と電磁力振動推進方式の2種類を製作し,推進可能なことを確認した.さらに,ジェット推進方式については噴射口径などの値と推進力の関係を導き,電磁振動方式については,磁場解析から駆動力の最適寸法を検討した.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の研究成果から,推進の速度と効率が高いジェット推進方式を主として考え,それに電磁振動子などを組み合わせて改良を進めるとともに,諸特性の詳細な計測と検討を行う. これまでの成果から,ジェット推進方式は,瞬発的な1回限りの推進が可能であり,推進速度と効率は高い.一方,電磁力振動推進方式では連続推進は可能であるが推進速度および推進効率が低いことが明らかになっている.したがってジェット推進方式に電磁振動アクチュエータなどの機構を組み合わせることで,高効率かつ連続動作が可能な推進機構の開発が望めるため,これを推進する.また,ここまでの成果を国際会議および学術論文誌等に発表し,他の研究者の意見を取り入れる.
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Causes of Carryover |
研究初年度のため,成果発表が予定よりも少なくなり,使用予定額を僅か3万円ほど下回った. 年度末までに予定通り遂行して研究成果は出ているため,経費は翌年度に使用する.
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Research Products
(1 results)