2018 Fiscal Year Research-status Report
Develpment of Firefighting helicopter system for skyscrapers
Project/Area Number |
17K06268
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
今津 篤志 大阪市立大学, 大学院工学研究院, 講師 (80440246)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マルチコプター / 消防 |
Outline of Annual Research Achievements |
高層ビル火災の消火を目的として、貯水タンクを持つヘリコプターからホースによって懸架されたノズル付マルチコプターを用い、比較的小さなノズル付マルチコプターのみが火元に接近して放水するシステムを開発している。本年度は固定点から吊り下げたノズル付マルチコプターと、吊り下げる側である貯水タンクを持つヘリコプターを想定したマルチコプターに分けて解析、実験を行った。 ノズル付マルチコプターについて、振り子に近似したマルチコプターの運動と放水軌跡とを組み合わせた解析を行い、ノズルのピッチ方向を変化させなくても、頬水の着水地点を上下、奥行き方向に調節できることを確認した。また、15mのホースを用いて懸架し流量5.8L/m(家庭用高圧洗浄機程度)で飛距離10m程度の放水を行う実験を実施した。マルチコプターが振り上がり放水反力を支える方向の推力は約20Nであった。実験の結果、マルチコプターの振り上げ動作によって着水地点の奥行き方向が7.5mから12mと10mを中心に5m程度の範囲で制御でき、さらにマルチコプターのヨー方向制御によってマルチコプターから見て左右方向にも着水地点の制御ができることを確認した。 貯水タンク付ヘリコプターについては、将来的には有人の消防ヘリコプターを使用することを想定しているものの、本研究期間では自らで運用可能なマルチコプターで代用して実験することとし、可搬重量8kgクラスの実験機体の開発を行った。屋内での飛行を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
固定点から吊り下げたノズル付マルチコプターについて、ホースと放水軌跡の含まれる鉛直平面内の様子を解析した結果と比較するため、放水実験を実施した。人の操縦によってピッチとヨーを制御し、左右方向、奥行き方向に着水点を制御できることを確認した。しかしながら、ホースを剛体と見なした近似の精度や、放水が空中で散らばってしまい放水到達地点を特定しづらかったことから、解析と実験の定量的な一致はまだ十分確認できなかった。 貯水タンク付ヘリコプターを模擬するため、推力200N程度の機体を作成した。これまで研究者らの実験実績があった機体よりも大型であることから慎重に開発を進めたため、本年度はモーションキャプチャー装置を用いた屋内実験に留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、放水の着水地点の解析の精度を向上させるため、これまでのホースを剛体と見なした近似を改善し、ホースの自重や剛性を考慮したホース形状の式を導出する。次に、10m以上の距離を放水しても水がなるべく散らばらないようにノズル形状を改善する。またノズル付ヘリコプターに搭載したカメラを用いた放水自動照準手法を開発する。以上をまとめて、放水を所望の点に到達させるための制御方法を確立する。 一方、ノズル付マルチコプターとタンク付マルチコプターの統合に関して、まずタンク付マルチコプターの屋外飛行申請を行い、単体での屋外飛行を確認する。その後、ノズル付マルチコプターとタンク付ヘリコプターを組み合わせ、2台の連成動作を実験により確認する。タンク付マルチコプターの可搬重量の制限から、放水機能を縮小した小型のノズル付マルチコプターを使用する予定である。 これらをまとめて、提案する懸架式マルチコプターを用いた消火システムの有効性を確認する。
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Causes of Carryover |
端数を次年度に有効利用するため
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